渡辺好明遺作展
光ではかられた時
の 感想文 (2012の15)
舞台は
東京藝術大学大学美術館の陳列館
『自現』シリーズ、『Strappo aus einer Wand』(1984年)、『時の刻印』シリーズ 網膜に脳裡に繰り返し現れるパターン。 それは点によって表された円。 円を追いかける円は、円筒をつくる。
ちなみに埴子の本展一番は『Strappo aus einer Wand』(1984年)。 色のせいかな。色の組み合わせ。 フレスコってこういうのなのね。 質感のせいかも。
幾何学形状に並べられ燃やされた蝋燭。
燃えて、露出した芯と溶けた蝋は花を思わせます。 白と黒のエロス。 火遊びのあと。 南国の花。 もしくはその花を顕微鏡で見たところ。
階段を上ると、2階の展示室の入口には胡蝶蘭が飾ってありました。 幾何学というのはそもそも自然から導き出されたもの、と気付かされる。
ところで、蝋燭の芯っていうのは真っすぐには入っていないのね。 まじまじ見たことなかったなあ。
『2つの線分』#1と#2。 芯同士が向かい合っている#1。 芯同士がそむき合っている#2。 #2のほうが、完全燃焼率は高い。 そりゃ当然なんですが。火は蝋を求めて向かい合う。
すべての蝋燭を完全燃焼させるって難しいのね。
『トーラス』 蝋燭で作られた円。その円で作られた2つの円。 どの円の中央も空洞を持つ。そしてどの円も厚みを持つ。 よって円筒。
円筒は究極の形。そして埴輪の基本形。 ここにも埴輪。 埴輪がいっぱい。
強引でしょうか。 でもそもそも蝋燭自体が円筒。
そして図録を見ていたら、なんと、渡辺氏は芝山の古墳の上で展示をなさっていたのね。 (1998年 「芝山野外アート展」芝山町殿塚・姫塚 『光ではかられた時 ―水鏡―』) あの芝山で。(参考 埴輪のいる博物館 千葉編)
なんというリンク。呼び合ったか。呼ばれたか。
映像は白黒で、火が際立つ。
光というより火か炎。
火時計はスクリーンの中 不帰の人
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図録。 立派できれいな図録。 それを入館時に無料で頂きました。ありがとうございました。
… ろうそくの作品などは もう少し大きい写真があれば とちょっと思いました。
思ったけど言わない ぜいたくを言ってはいけないわ
書いちゃったけど。
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混雑状況報告。 最終日の金曜日、15−16。
なかなか盛況。 作品が見づらいほどではなかったです。
映像の前の椅子は、最前列は空いていましたが見やすいところは埋まっていました。
1階と2階の展示室を、それぞれ4周ぐらい。
2012/12/24訪問 |
現代美術 というとどうも 奇抜なだけで魅力が弱い というか持続しない みたいに思っていましたが 今回の展示はそういう感じを受けませんでした むしろ 見終わったあと 景色が変わった 景色の見え方が変わった ような気がしました
見るものすべてが美しい とまではいかなかったよジャコメッティ。 参考の読書感想文:ジャコメッティとともに
見る というより 感じて考える なのかな
そういえば 『清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵会う人みな美しき』 与謝野晶子
祇園じゃなくて上野公園ですが 桜はまだまだ先ですが
晶子は読み耳会で名前が出てきて思い出しました
連想が果てしない
ともかく 心が洗われるとはこういうこと と実感しました
美しいものは確かにある と感じてちょっとぼーっとしましたね
ぼーっとしながらトーハクへ向かう埴子
この日には続きがある
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このページの画像はすべて、埴子が撮影したものです。 |
2012/12/28up
会場|東京藝術大学大学美術館 会期|2012年12月7日(金) - 12月24日(月・祝) 休館日|月曜休館(12月24日は開館) 開館時間|午前10時―午後5時(入館は午後4時30分まで) 入館無料
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