クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
印象派を超えて 点描の画家たち
ゴッホ、スーラからモンドリアンまで
於・国立新美術館
の 感想文 (2013の07)
筆触分割。 デジタル一歩手前の技法の人たち。
当たりがありそうな気がしたので行ってみる。
ありました。 ヤン・トーロップ。
まずは順に、いいと思ったもの。
クロード・モネ 《サンジェルマンの森の中で》(1882年) やっぱりいい。激しさがいい。
アルフレッド・シスレー 《モレのポプラ並木》(1888年) シスレーはきれいだけど正直弱い、という印象でしたがこれはいい。 《舟遊び》(1877年)よりいいと思う。 晩年の作品だからかな。
シスレーはモネと並びがち。 いつも弱いと感じるのはそのせいかなー
ジョルジュ・スーラ 《若い女(「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のための習作)》(1884-85年) スーラはこのコンテ画に惹きつけられた。 油はあんまり。
ポール・シニャック 《オレンジを積んだ船、マルセイユ》 (1923年) この絵だけなんだかはっきりしていた。引っ張られる感じがした。 やっぱり晩年か。
マクシミリアン・リュス《鋳鉄工場》(1899年) おお これはいろいろ惹かれます。 色も人の体もいい。特に人体の角度。全身で引っ張っているのが分かる。
モーリス・ドニ《病院での夕暮れの祈り》 (1890年) 近くで見ていたときは、それほどでなかった。 何周目かにふと遠目に見て、上下で全然ちがうので面白かった。 真ん中はベール。この水色もいい。
フィンセント・ファン・ゴッホ《麦束のある月の出の風景》 (1889年) ゴッホ9点のなかではこれ。いちばん強さがある。入院中だが。 《レストランの内部》 (1887年)は無理している感じだが、それでも椅子の脚のタッチがゴッホ。 《石膏像のある静物》(1887年)は石膏像とバラが邪魔。黄色と水色の本がゴッホ。淡いが。 《種まく人》 (1888年)は地面の色が変色してしまっているらしい。紫が灰色になったという話。 《じゃがいものある静物》(1888年)黄色と青の見事なコントラスト。 見おぼえがある、と思ったら2010年の没後120年 ゴッホ展で見た作品。
ポール・ゴーギャン 《水飼い場》 (1886年) ゴーギャンはあまり好きではなかったけど今回はいい。 オレンジがかった赤と緑。 ちなみに《木靴職人》を描いたキャンバスの裏に《海岸の岩》を描いちゃったゴーギャン。(1888年) そんなことするから 本展では表の《木靴職人》を優先して縦に展示しているので、 裏の《海岸の岩》は横置きの絵なのに縦になっちゃってて見にくい。 時々90度まわしてくれないだろうか。
さてヤン・トーロップ。 全13点。 絵のタイプがころころ変わる。
《ロンドンの橋》(1888/89年) これは点描ですが、もっとあとに描かれた作品のタッチに似ている。戻ったのか。
《オルガンの音色》(1889-90年)チョーク、鉛筆/厚紙 これはスピリアールトを思い出させる。
《憂愁》(c.1890-91年)鉛筆、水彩/厚紙 近寄ってみると浮かび上がるラインがある。
《海》(1899年) 白い波が遠くからも目を引く。白波の間の色も魅力的。
《L. ラウレイセンの肖像》(1911年) 描きなぐったかと思うような激しさ。 肖像画を描くのは経済的理由からで、好きではなかったらしい。 鋭い目つきはモデルではなく画家のものか。
ピート・モンドリアン《コンポジション No.U》(1913年) モンドリアンはやはりこれかな。
それにしても キャンバスに向かって 絵筆をにぎって 油絵具で描く理由って なんなんだろう
とモンドリアンは思ったかどうか。
モンドリアン?
いえいえ
乃木坂駅に向かう板張りの道から見えるお隣の建物の塀でした。
帰り道はなんでもモンドリアンに見えてしまうよ
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グッズなどについて。 ビーズとかキャンディーとかシールとか、テーマをちゃんと考えているものが目に付きました。 ビーズのビンは飾っておくだけでもなにかのインスピレーションをくれそう。 と帰ってから思いました。購入せず。
オランダだからってミッフィーはどうか。好きだがここでは浮いている。
図録。 館内で結構しっかり見せてもらいました。
ポストカード。 欲しいものは特になし。
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混雑状況報告。
混んではいなかった、と言っていいでしょう。 ちょくちょく絵の独占ができます。
かといってガラガラではありませんでしたので、後ろに下がるときなどはお気をつけください。 ぶつかってる人を見かけました。
5往復ぐらい。
いつもどおり荷物と上着をロッカーに入れて手ぶらで見てました。 早足で見る2往復目くらいまではいいが、ゆっくり見ていた後半はだんだん寒くなってきました。 ロッカーは展示室の外なので途中で上着をとりには戻れません。 といって前半で汗かくのはいやなのよね。後半もっと寒くなっちゃうから。
難しい。
2013/10/25(金)11:30-13:30訪問 |
このページの画像はすべて、埴子が撮影したものです。 |
2013/10/26up
クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に 印象派を超えて 点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで 会場|国立新美術館 会期|2013年10月4日(金)〜12月23日(月・祝) 休館日|毎週火曜日 開館時間|午前10時―午後6時 金曜日は午後8時まで 入館料|一般:1,500円
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