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国立西洋美術館×ポーラ美術館 モネ、風景をみる眼 19世紀フランス風景画の革新

 

生誕150周年記念 国立西洋美術館所蔵 エドヴァルド・ムンク版画展

 

ソフィア王妃芸術センター所蔵 内と外 ―スペイン・アンフォルメル絵画の二つの『顔』

 

常設展

 

  於・国立西洋美術館

 

の 感想文 201309

 

 

国立西洋美術館×ポーラ美術館 モネ、風景をみる眼 19世紀フランス風景画の革新

会期:2013127日(土)〜201439日(日)

 

 

モネは構図と引き算の天才。

どの絵も構図がすてきで、はずれがない。構図で悩んだあとがない。

モネ以外の画家の絵も多数あるのではっきりわかる。モネ以外は描き込み過ぎ。

技法への執着は首を絞める。

 

どこもかしこも一様にくっきり見えるなんてはずはない。

このへんが絵と写真の違いか。

人の眼に映るものと、カメラのレンズに映るもの。

 

モネによると朝の空は銀色。

でもモネの色はバラ色。夕暮れ前の色。

 

《並木道(サン=シメオン農場の道)》 1864 油彩、カンヴァス 81.6 x 46.4cm 国立西洋美術館

初期からはっきり上手い。

それなのになかなか認められない。

サロンには入選したりしなかったり。

 

1回印象派展はこの絵を描いた10年後の1874年。

1840年生まれのモネは34歳。ここから花ひらいた。

 

《散歩》1875、ポーラ美術館

散歩している間に空気や草と一体化してしまったかのようである。

散歩とはそういうものか。

 

《サン=ラザール駅の線路》 1877 油彩、カンヴァス 60.5×81.1cm ポーラ美術館

線路より煙。線路をたどっていくと遠いどこかへ行ってしまう。

 

《エプト河の釣り人たち》1887 個人蔵(国立西洋美術館寄託)

木、水、人、草。その色や明るさ。いろんなバランスが良いせいか、魅かれた。

 

《柳》1897-1898年頃 個人蔵(国立西洋美術館寄託)

本展一番。

大胆さがモネ。足を止める力。

 

ボート2点が並べられている。

どちらの絵も、モネじゃなかったらこの構図は思いつけないし描けないだろう。

 

《舟遊び》 1887 油彩、カンヴァス 145.5×133.5cm 国立西洋美術館

画面の大きさ以上の大きさを感じる。

この絵の水面を上回る水面はなかなかないだろう。

 

《バラ色のボート》 1890 油彩、カンヴァス 135.3×176.5cm ポーラ美術館

キャプションに、水中の藻と水面とを同じ画面に描こうとすると気が狂いそう、というモネの言葉。

絵からもちょっと狂気を感じる。ムンクみたい。

 

《睡蓮》 1916 油彩、カンヴァス 200.5×201.0cm 国立西洋美術館

いい睡蓮だが習作だそうだ。

モネとしては習作はあまり表に出したくなかったらしい。どうやって譲ってもらったんだろう。

 

橋や建物はあまりいいと思わないな。

ロンドン、ルーアン、ヴェネツィア。

取材して描きました、がんばりました、という感じが出てしまっているからか。

石が合わないのかな。石の硬さが。

 

《黄色いアイリス》1914-17年頃 200×101cm 国立西洋美術館

迫力。この絵はやっぱり好き。

 

 

 

モネ以外。

 

シスレーの光。

 

マネ、ブラン氏の帽子のリボンと靴の黒。

 

クールベの山や森の奥には、なにか魔的なものがひそんでいる。

本展でよかったのは《波》だが。立ち止まる人多し。

 

ゴーギャンのオレンジ色は肉。肌。血。とにかく肉体のオレンジ。

 

セザンヌのオレンジ色は岩。山。土。乾いたオレンジ。

早足で流して見ていても、筆のタッチでこの人とわかる。

セザンヌはセザンヌ。我が道を行く。

 

ルノワールは人数が多いと収拾つけられないらしい。

でも《木かげ》 (1880年頃 国立西洋美術館)はよかった。モネかと思った。

 

ゴッホ、本展ではいまひとつ。

《ばら》よりは《草むら》かな。どちらも1889年。

《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888年)は空の青がいまひとつ。

 

ピカソの母子像、顔のつよさ。

 

モーリス・ドニの輪郭線。

現実世界には輪郭なんてないのでは。

輪郭がくっきりしている絵には、物語の世界を感じる。

絵の輪郭線で創作型か描写型かわかるかも。これでいくと、モネは完全に描写型。

 

ルドンはやっぱり油じゃないのよ。

 

 

モネに戻る。

モネの絵には、人物と人物以外との境界がない。

 

グラジオラス2点。

この2点だけ、なんだか変だ変だと思ったら、この2点だけ屋内の絵なのね。

他はみんな屋外。

そりゃ目がやられるわ。

 

白内障になったと気付いた時と、白内障の手術をした時と、どっちが恐ろしかったかなあ。

 

印象派展は途中けっこうさぼってる。

いつまでもつるんではいられないか。人には個性というものがある。どんな団体も解体する運命。

画家同士の交流は続いていたようだが。

 

社会的に認められていない時期に、束になってかかる、というのはひとつの方法かも。

その動きが評価されたのは、それぞれに才能あればこそか。

 

壁にいろんな人の言葉が書かれているのがよい。内容も分量も。

 

今回は文字情報多めだったかな。書籍の展示もあり。

 

 

階段の上り下りが多い美術館ですが、上り下りする価値あり。

 

 

 

生誕150周年記念 国立西洋美術館所蔵 エドヴァルド・ムンク版画展

会期:2013127日(土)〜201439日(日)

 

 

ムンクの版画、34点。

 

《病める子ども》1894 ドライポイント

一点目からこれ。うう。おお。

ひょっとして《アルファとオメガ》につながっているのか。

 

《マドンナ》1895 リトグラフ

やはりこれが一番かな。

 

ヴァルター・ライスティコフ夫妻》1902リトグラフ

ムンクには大事な人たちだったらしい。

だからか、真面目に写実的に描いてあるんだけど…

右端の落書き的な女の子らしき絵はなに? 真面目に描きすぎて反動が出たの?

 

連作《アルファとオメガ》1908-09リトグラフ

思想がぶちまけられている。

絵は無邪気さ素直さもある。よけい怖い。

 

 

 

ソフィア王妃芸術センター所蔵 内と外 ―スペイン・アンフォルメル絵画の二つの『顔』

会期:2013103日(木)〜201415日(日)

 

 

4人に焦点を当てている。

アントニ・タピエス(1923-2012)

アントニオ・サウラ(1930-98)

エステバン・ビセンテ(1903-2001)

ホセ・ゲレーロ(1914-91)

 

ホセ・ゲレーロ《赤い土地》1955

 

アントニオ・サウラ《大群衆》1963

オールオーヴァーする人間たち。目が見える。

 

アントニ・タピエス《木の上の大きなニス》1982

ジャン・アルプを思い出した。

 

エステバン・ビセンテ《ミッドウェスト》1953

色が好き。タッチのほどよさも。描き込み具合も。

 

 

形をつくらないことを目指していたようだが、そのためか不安定な感じがする。

形がなければつかめない。つかみどころがなさすぎる。

 

14点と、点数があまり多くないせいか。

 

 

 

常設展

 

ユベールロベール2点との再会。

《マルクス・アウレリウス騎馬像、トラヤヌス記念柱、神殿の見える空想のローマ景観》1786

《モンテ・カヴァッロの巨像と聖堂の見える空想のローマ景観》1786

やっぱり廃墟と空の青。

 

エドヴァルド・ムンク《雪の中の労働者たち》1910

ムンクは油彩もこちらにあり。やっぱり顔が怖いのよ。

 

 

 

混雑状況報告。

 

展示室内、空いていました。びっくり。

なんどか絵の前で立ち尽くしてました。

年末の平日だからかも。

 

モネ展は4往復ぐらい。大体2時間。

ムンクは2周。

あとは一期一会。

 

 2013/12/20(金)11:30-14:30訪問 

  

於・国立西洋美術館

年末年始休館12/28()2014/1/1()

 

 このページの画像はすべて、埴子が撮影したものです。

  2013/12/22up

 

  

 

 

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モローとルオー

 

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