アントワープ王立美術館コレクション展
アンソールからマグリットへ ベルギー近代美術の殿堂
の 感想文
マグリットとスピリアールトが目当てだった。
ルネ・マグリット 3点
「復讐」 どうにもかわいらしい。好き。背景の色が好みだからということもある。全体の色のトーンも好き。壁紙に地模様があるようだ。気になって近づいてみる。よくわからない。雲がペットみたい。もくもく。
「9月16日」 いい。丁寧。丁寧さとキャンバスの大きさがちょうどいい。青も緑もマグリットの青と緑だ。画面の下3分の1、マグリットだ。よかった。見たかったものを見てすっきり。
「嵐の岬」 岩しっかり重い。重い、重いよ。なんで落ちてこないの。マグリット、木目好きだなあ。なんでそんなに好きなの。木目が好きなマグリットも好きだけどマグリットの木目よりはマグリットの岩の方が好き。
レオン・スピリアールト 4点
「砂丘の少女たち」 夜じゃないんだろうが夜にしか感じられない。夕焼け発見。夕方だったのか。夕方というより夕暮か。夕暮れも切なさあるけど。いやむしろ夜より切ないか。犬まで切ない。吠えちゃう。ほうクレヨン。ほう独学で。なるほど感を持つ。
「海辺の女」 浮いてるみたい。スカートが長くて足が見えないからなのか。そういうイメージで描いたからか。技術的な問題か。飛びこもうとしているようにはかろうじて見えないが、すでに亡霊なのか。いい肩幅。服のせいか。
「自画像」(1907年) 青い本。前に別の自画像をみた時も思ったけど骨張った顔だなあ。骨格もさることながら眉間が険しすぎるでしょうが。鬼か。鬼か君は。実際もこんな顔だったのかそれとも本人の思い込みか。たぶん実際こんなんだったんだろうなあ。もっとだったらどうしよう。
「自画像」(1908年) キャンバスと鏡。鬼いっぱい。鬼しか友達いないのか。いつもそんな顔で絵を描いているのか。いつもそんな服で絵を描いているのか。服は汚れないのか。いや絶対汚れるだろ袖とか。うるさいってどなられそうだ。絵を描いていないときにたまに会うだけならけっこう仲良くやれそうだ。作品が好きなら作者も好きなんじゃないか。そうはいかないか。どうだろう。
さて目当て以外にもいいと思ったもの。
「陽光の降り注ぐ小道」フランツ・クルテンス 道、というか木の根のあたりは教科書臭くて気に入らないが、その上にある木の葉と光の白いもやもやがなんだかいい。それにしても大きい絵だ。でかい、なんてでかいんだ、でかすぎる。と思っていたが出品リストで確認すると159.0×108.0cmだ。私が思ったほどでかくない。でかさを感じる迫力を持った絵ということか。埴子が小さすぎるのか。
「帽子を被ったグスタ嬢」ファン・ダイク 肖像画の中では今回一番よかった。
「防波堤の女」ジェームズ・アンソール 上手い人、というか描き慣れている人がさっと描いた絵はだいたいいい。時間をかけたものよりもよかったりする。この絵にどのくらい時間をかけたか知らないが。そんなことを思った。
「カルヴァリーの庭」シャルル・メルテンス この手の狙った構図には拒絶反応が出やすいのに、これは出なかった。いいと思った。ストーリー。ドラマ。映画のワンシーン。カメラがゆっくり寄っていきそう。女の人が顔を上げてこっちを見そう。
「メヘレン、ホーグブルグ橋の上の画家」リク・ワウテルス どこがどうと言えないくらいガッと引き込まれた。名前を覚えておきたい。が覚えられるか。絵はもう一度見たら見たことあることに気付けると思うが。それもわかったもんじゃない。
「パリーの肖像」グスターヴ・デ・スメット かわいい。おもしろい。それでいい。でもいっそもっとふざけてもいい。そういうのが見たい。
「ウェステンデの海」ポール・デルヴォー デルヴォーのデッサン。おお。いいですね。デッサンの方が好きだなと思う画家リストに加えよう。なんかごめん。まあいいよね。この展覧会の最後の絵でした。
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2010/10/03更新
期間:2010年7月28日[水]─ 10月3日[日]
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