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常設展
の 感想文
例の人とレンブラントと犬
上野にて、横眼で通り過ぎて東博に行くこと数回。埴輪優先。 しかし、ついに、この日がきた。 思い切って埴輪を見る前にレンブラント。
《音楽を奏でる人々》
金曜日12:30から14:30くらい、なかなかの入り。 十分に鑑賞できますが、絵の完全独占は3秒くらい。 階段を下りたり上ったり、見比べるために行ったり来たり。 体力のいる展覧会。
気になったもの、まず版画。
《帽子をかぶる自画像》1633年 これいいね。
《蝋燭の明かりのもとで机に向かう書生》1642年 やっぱり影があってこそ光が冴える。 これは1点のみ。明るさが違う別の刷りがいろいろあるんだろうけど、この1点はきっといい1点。 本がぶよぶよ。
《ヤン・シックス》1647年、エッチング・ドライポイント・エングレーヴィング、245 x 191 mm 《白い柵のある小屋》1648年 それぞれ2点。 はっきり和紙の方がいい。
《3本の十字架》1953年 4点。 和紙に印刷されているのがいい。最後のは何か乱暴な感じがした。
《エッケ・ホモ(民衆に晒されるキリスト)》1955年 5点。バージョン違いも。 大英博物館のは滲みすぎてるような気がする。 これはでも別に失敗ってわけじゃないよね。
《薬剤師アブラハム・フランケン》1957年頃 2点。 クストディア財団(フリッツ・ルフト・コレクション)のほうだけ右上にマークがあるのが気になった。 やっぱり本がぶよぶよ。
《帽子の側の裸の女》1658年 なんだかいい。顔かな。
並べられると見比べちゃう。思うつぼ。 概して和紙に刷った作品がいいような気がする。それこそ刷り込まれているのかもしれないが。 光が光らしいような気がする。 線が線のままじゃなくてちゃんと影になっている気がする。
油彩。
《石の切除(触覚)》1624-25年頃、油彩 いたーい。 握りしめたこぶしの影よ。
《音楽を奏でる人々》1626年、油彩・板、634 x 476 mm この人たちはふざけてるの、それともそういう曲なの。 やっぱり本がぶよぶよだよ。
《アトリエの画家》1628年頃、油彩・板、248 x 317 mm 画布の裏側、楽屋ってことなのかな。 画期的な作品らしい。確かに大胆な構図。
《東洋風の衣装をまとう自画像》1631-33年、油彩・板、630 x 560 mm おお、おなかが、おなかが光ってるよ、レンブラント。
《旗手(フローリス・ソープ)》1654年、油彩・カンヴァス、1403 x 1149 mm 手が異様に大きい。旗手だからなの。
《陰のかかる自画像》1633年、油彩 なぜか目線を合わせたくなって絵の前をうろうろした。
《書斎のミネルヴァ》1635年、油彩・カンヴァス、1372 x 1160 mm で、やっぱり本がぶよぶよだ。
《白い帽子の女》1640年頃、油彩 白い帽子がやたら眩しい。 光と影があまりにも効果的。
《ヘンドリッキェ・ストッフェルス》1652年頃、油彩・カンヴァス、740 x 610 mm こっちは逆に帽子だか髪飾りだかが暗くて見えない。
《髭の老人》1659年、油彩 はっとさせられる。 強烈すぎて居間には飾れない絵。
《トビトとハンナ》1659年、油彩 実篤の詩に出てくるのはこの絵かな。 トビトの眼が盲目すぎる。 トビアスどこにいるの。見つけられず。
宗教画というとどうも一歩引いてしまう。 でも、光の効果的な表現を最も活かせる画題なのかもしれない。
一往復して初めの方の作品を見て、やっぱり初期のものは正直ぱっとしないなー と思ったら レンブラントじゃありませんでしたー まあ 先人いてこそのレンブラントということですね。
銅板原版とともに展示されている作品が2点ありました。《放蕩息子の帰還》《神殿奉納》 この原版が一番よかった、というのはダメか…
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一往復半してから常設展を見る。
ゴッホや辻まことが、いい、というので気になっていたドラクロワが目当てだったのだが、展示中の2枚は、どうもピンとこない。 オノレ・ドーミエ「マグダラのマリア」「観劇」がよかった。 モネの「黄色いアイリス」以前見て印象深かった。記憶の中の絵とは違うが、それでもやっぱりいい。 おお、ジョルジュ・ブラック。「静物」2009新収蔵だそうな。これもいい。
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そして再びレンブラント。 再入場は一度きりだそうです。
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実はレンブラントその人にはさほど興味がなかったのですが、 武者小路実篤のレンブラントの詩「トビアスの帰り」「老いたるレンブラント」を読んで、レンブラントを見てみたくなったのです。
行ってみてよかった。 こうやってつながっていく。
あの市民と
ところで、実篤はほかの詩もいいですよ。おもしろいですよ。おすすめです。 (参考:『武者小路実篤詩集』の読書感想文)
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2011/05/13訪問
2011/05/15更新
会場|国立西洋美術館 会期|2011年3月12日(土)〜2011年6月12日(日) 休館日|月曜日(*5月23日(月)、30日(月)、6月6日(月)は開館、よって5月17日(火)〜本展最終日の6月12日(日)まで休まず開館) 開館時間|午前9時30分〜午後5時30分(入館は午後5時まで) 入館料|当日一般 1,400円
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