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美豆良
男子の髪型の一つ。髪をまん中から左右二つに分けて束ねる。 埴輪を見ると、大きく分けて、上げ美豆良と下げ美豆良とがある。
上げ美豆良は、耳の近くに小さくまとめたもの。 短い円柱状が多く、くの字形、C字形などになっています。ほか、ヒョウタン形、水平に突き出た円柱状、半球状など。
下げ美豆良は、長く垂らしたもの。大きく、凝ったものが目立ちます。 紐でぐるぐる巻く、紐を交差させくくる、リボンなど飾りをつける、縞々に彩色する、など。下端が、上向きのものや、二股でスパナやカナヅチのようなものもあります。 肩より下まで垂れていることが多いですが、肩につかず宙に浮くものもあります。
埴輪の美豆良から美豆良の現物を想像するのは、大変かつ楽しい。 |
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2012/08/30up
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「みずら」は
角髪・角子・鬟・髻とも書きます。
「あげまき」とも言うらしいです。総角や揚巻と書く。
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男子埴輪の出土品には美豆良の表現がある場合が多いですが、取れてしまっていることも。
初めからないこともあります。
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では、埴子の埴輪の美豆良コレクション。
上げ美豆良
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下げ美豆良
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どっちとも言えない美豆良もつくっちゃった うーむ 上げ気味
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ちなみに前髪。 被りもので見えない埴輪が多いですが、被りもののない埴輪を見ると、 長めにぱつんと切った前髪を、 真ん中から左右に振り分け、 外側にはねさせています。
振り分け髪と呼んでいるようです。
下げ美豆良+振り分け髪
下げ美豆良+振り分け髪は出土品にもあります。
埴子は 上げ美豆良+振り分け髪も作ってみた
出土品では、まだ見たことがないです。
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ちなみに後ろ髪。 後ろ髪の一部を美豆良には入れず、そのまま垂らしています。 垂れ髪と呼んでいるようです。
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美豆良の実物が、茨城県土浦市の武者塚古墳から出土しています。
上高津貝塚ふるさと歴史の広場に所蔵されているようです。
上げ美豆良のようです。
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鍬や鎌や盾を持っていても、下げ美豆良の埴輪があります。
上記の武者塚古墳の例から言っても、美豆良の上下だけでは、身分は分からないようです。
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埴輪の力士の髪型は美豆良ではありません。
頭にカチューシャのようなものがついています。
放射状に広がる扁平な髷を結っているようです。
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20150220修正・追記
関連の参考文献 |
芝山はにわ博物館編(1992)『はにわ人の服飾』芝山はにわ博物館 埴輪における美豆良についての解説あり。髪型を含めた再現写真あり。
編集/亀井正道(1995)『日本の美術 No.346 人物・動物はにわ』至文堂 埴輪における美豆良の結い方についての解説あり。
編集/群馬県立歴史博物館友の会(1996)『図説はにわの本』東京美術 「上げ美豆良」の結い方の図解あり。
稲村 繁(1999)『人物埴輪の研究』同成社 埴輪における「上げ美豆良」および「下げ美豆良」の表現についての図と説明あり。
稲村 繁(2002)『人物はにわの世界』同成社 埴輪における「下げ美豆良」の表現についての図と説明あり。
若狭 徹(2009)もっと知りたいはにわの世界 古代社会からのメッセージ』東京美術 「下げ美豆良」および「上げ美豆良」の結い方の図解あり。
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