日本美術院再興100年 特別展 世紀の日本画(前期)
於・東京都美術館
の目撃談 (2014の05)
前期でも入れ替えがあったらしい。 ひと世紀を振り返るのは容易でない。 大きい作品が多いしね。
《閑日》奥村土牛1974 ふてぶてしく、魅惑的な猫。 今回はこれが一番のおめあて。土牛、好きだわ。 土牛の猫の目は金色。
《白狐》下村観山1914 あっさりの左、ぎっしりの右。
《天心岡倉先生画稿》下村観山1922 メモが気になる、が、見ていると顔のほうがもっと気になる。 本作は失われて、これは下描きだったようですが、顔の描き込みはもう本気。 「岡倉天心」じゃなくて「天心岡倉」なのね。
《祇園精舎》平山郁夫1981 《天堂苑樹》平山郁夫1966 どちらも、展示してある部屋に入るとすぐにわかる。 オーラが強い。他を圧倒していた。
《篝火》須田珙中1959 はじめ、火に目がとらえられた。 そして、鵜の目に涙。 目玉の後ろの白のせいか、目がうるんでいるように見える。 本展(前期)いちばん。
《虫魚画巻》小茂田青樹1931 絵巻物。巻物でこんなに写実的なものはあまり見ない。 広げられているのは三つの場面。蛙、夜の蜘蛛、金魚と鯉。 どれもいい。目を引くのは黒地の蜘蛛。
「虫は最初に声」だそうです。 虫は声 アザミドクダミ蜘蛛の糸。 絵に声を描くのは難しいだろうな。 耳をすませ。
後期展示では別の場面が広げられるそうです。見たい。
《熱国之巻(熱国之朝)》今村紫紅1914 ゴーギャン。オレンジ色が。ゴーギャンより軽くてべたつかないオレンジ。
《市》村上裕二1999 画面全体から感じるなにかがある。
《婉膩水韻》中村岳陵1931 羽衣伝説かと思った。
《神々とファラオ》岩橋英遠1967 テイストが壁画。岩絵の具ならではか。
《風化の柵》荘司福 どこかでみた誰かの絵に似ていると思ったが思い出せない。 これは仏像なのだそうだ。 利用された信心。
さて 狙って描くと、いやらしくなるのは明らか。 しかし完全に無心ではいられない。
計算はあってしかるべきと思います。
|
今回の特記事項
この展覧会は、「日本美術の祭典」という企画展3つのうちの1つ。 前期と後期で作品総入れ替え。
|
混雑状況報告。 チケット売り場も会場内も、行列ではない。 会場内はそこそこ人がいます。完全に独占するのは厳しい。 特に絵巻物は混みがち。
閉館ちかくになると、けっこうしっかり見れます。独占も可。今回はそれを狙いました。 しかしこの手で行くと、ミュージアムショップでお買いものはきびしい。
特設ミュージアムショップは会場内なのでいちおう眺めました。 複製画多数。 「日本美術の祭典」でコラボレーションしている東京国立博物館と共通の品あり。 でもわたしは手ぶら。眺めるだけ。
再入場不可。 ですが、もう一度見たい人は、地下1階の出口の手前で入口に戻れます。 案内の表示あり。
3周。 やはり上下移動が煩わしい。
2014/02/22(土)15:30-17:30訪問 |
地上にて
エスカレータ脇
気の急く行きは 横目でちらり
帰り道 思い出して ふりかえる
奥に見える石のベンチに 置かれているのはどうやら帽子
あの帽子は誰の帽子
その帽子は
置かれているのではなかった
帽子は被られていた
鈴木 久雄 《P3824 M君までの距離》1977
被っているのはM君なのか 鈴木君なのか
帰りもけっこう追い立てられてるんだけどさ
このページの画像はすべて、上記館所蔵もしくは展示の作品などを、埴子が撮影したものです。 |
2014/02/25up
会場|東京都美術館 会期|[前期] 1月25日(土)〜2月25日(火) [後期] 3月1日(土)〜4月1日(火)
|
|