於・国立新美術館
の目撃談 (2014の19)
少年の笛の音に誘われて
異世界へと吸い込まれていく人々
この写真は見終わってから撮りました
混んでいても見れば満足できるだろうと踏んで行ってみた。 やはりよかった。
エドゥアール・マネ 《 笛を吹く少年》 1866年 平面的に塗るわざを用いた前衛的な問題作らしい。 しかし、遠近法をしっかり勉強したあとだからか、指や笛のあたりは立体感が出ている。 これは、出てしまっていると言うべきなのか。 それはともかく 足が浮いているように見える。床の影がほとんどないせいか。 よく見ると、背景とモデルとが切り離されているようだ。 そのあたりを、実験したのか。
ジャン=フランソワ・ミレー《横たわる裸婦》1844-45年 いい。小さな絵ですが、はっとさせる。 これミレーなのね。という驚き。 この絵の前では人溜まりができていた。 個人的には《晩鐘》1857-59年よりいい。
ほかにも、さまざまに描かれた人体。 裸体の章は、作品数は多くはないけれど充実。
カミーユ・ピサロ《白い霜》1873年 これまでピサロでこれというものがなかったが、これはひかれた。
モネ、《草上の昼食》1865-66年はあんまり。 あのバラ色がない。 空の青が濃すぎる。 顔も濃すぎる。 自然と人間が一体になっている、もう少し後の作品の方が断然いいなあ。 服の裾などの筆致には、モネらしさと画家向きの大胆さが見えていて、おもしろいが。
クロード・モネ 《かささぎ》 1868-69年 クロード・モネ 《サン=ラザール駅》 1877年 クロード・モネ 《アルジャントゥイユのレガッタ》1872年頃 良いモネ。
クロード・モネ 《アルジャントゥイユの船着き場》1872年頃 特に良いモネ。
クロード・モネ 《ゴーディベール夫人の肖像》 1868年 顔をかなり隠すという描き方。肖像画としてはどうなのか。 しかし絵としては魅力的。《草上の昼食》よりモネらしくなっているし。
クロード・モネ 《死の床のカミーユ》 1879年 この色づかい。 隅のほうは塗りのこされている。
アルフレッド・シスレー 《洪水のなかの小舟、ポール=マルリー》 1876年 シスレーの絵は、どうも構図が平凡で好きじゃないが、 たまに、絵から光が放たれているような作品がある。その一例に会えました。 良いシスレー。 しかしこれ洪水だったのか。そのわりに明るくてさわやか。台風一過か。
ポール・セザンヌ《首吊りの家、オーヴェール=シュル=オワーズ》1873年 ポール・セザンヌ《マンシーの橋》1879年頃 ポール・セザンヌ《バラ色の背景の自画像》1875年頃 やはりセザンヌは少し硬いものを描いた作品がいい。
エドゥアール・マネ 《ロシュフォールの逃亡》 1881年頃 最後に展示するにふさわしい作品。 画面は暗いが、見るものを奮い立たせてくれる。
他にもひかれるものいっぱい。 クールベ、モロー、ルノワール、ドガ、カイユボット、ラトゥールなども来ていました。
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今回の特記事項
展示室の壁が章ごとに塗り分けられているのが印象的でした。 力を入れた企画展。 配置もいいのか、見やすかったです。
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混雑状況報告。
混んでいました。
会期終盤だからか。もっと早く来ればよかった。 夜間開館延長の機会に来そこねたのがまずかった。 など思いました。
といっても、チケット売り場や展示室入口では並びませんでした。
展示室内も、入ったときこそ、人垣の後ろからのぞき見か、と思いましたが、 見始めると流れがよく、どの絵もちゃんと全体を見ることができました。
84点とほどよい出品数、大きい絵が多め、国立新の展示の技、などなどのおかげか。 満足度が高かった。 結局、作品がよかったのかな。
2往復半ぐらい。
2014/10/09(木)12:45-13:45訪問
ちなみに 「10月10日(金)から10月20日(月)までは毎日20:00まで」 オルセー美術館展HPより。
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このページの画像はすべて、上記館所蔵もしくは展示の作品などを、埴子が撮影したものです。 |
2014/10/10up
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