特別展 甦る鉄剣
及び 常設展
の目撃談 (2014の22)
稲荷山古墳出土の金錯銘鉄剣。
それを、七年がかりで復元した鉄剣が展示されています。 試行錯誤して候補の鉄剣を作り、その中の一本に115文字の銘を刻んだようです。
銘の入れ方の仕上げ具合が部分ごとに異なる鉄剣も展示されています。 これで途中経過がわかる。 映像も流されています。 復元した鉄剣そのものももちろんいい。 それ以上に、復元するという企画をたて、復元する過程のなかで判明したことが収穫だそうだ。
他の象嵌剣や大刀も並んでいます。 熊本県の江田 船山古墳出土銀錯銘大刀の複製。本物にはある魚と鳥がいない。さびしい。 千葉県稲荷台 1 号墳出土「王賜」銘鉄剣の複製。 奈良県天理市石上神宮の七支刀の複製。 稲荷山古墳出土の金錯銘鉄剣の複製も。もちろん。実物は埼玉県立さきたま史跡の博物館。
これらの文字、出土地、推定製作年などをまとめたパネル。これは価値がある。重要。 照らし合わせて初めて分かることがある。
柄やつばなどの象嵌も。県内の物はほとんど本物だったと思います。 拡大鏡がセットされているものもありました。
象嵌は金と銀の二種類だったようです。 金と銀、やり方は同じなのかな。 鉄には他の金属は象嵌できないのかな。
甲冑も充実。各地から来ています。 衝角(しょうかく)付冑も眉庇(まびさし)付冑もあり。 短甲も挂甲もあり。 首まで覆うよろいが印象的。
鏃(やじり)多数。 消耗品ですから。 そして木や羽根は残りにくい。 金属は残る。
当然、どれもさびているが、かえって重さをましている。 そこにあるだけで大きい。 時間。
埴輪。 埴輪も残る。 埴輪も、武具に関するものが並んでいる。
最初に展示されている盾持ち人たちがよい。 坂戸市塚の越1号墳出土の盾持ち人埴輪。 入れ墨らしき線が目の周りに線刻されている。 その目はやや伏せているようだ。 盾の上に戟(げき)を重ねて持つ。
熊谷市女塚1号墳出土の盾持ち人埴輪。3体。 2体は笄帽をかぶり、下げ美豆良を結っている。 左端の1体は美豆良なし。かぶりものは、かぼちゃを乗せているようだ。そして鉢巻き。 なぜ1体だけ違うのか。 それとも、盾持ち人埴輪はもっと数多く出土していて、2パターンあるということか。 熊谷デジタルミュージアム参照。
熊谷市上中条出土の短甲をつけた男子埴輪(東京国立博物館蔵)。 トーハクでなんども見ているわけですが、この埴輪はやはり独特の雰囲気。
ケースの線(透明シートの端?)と重なってしまっているのが残念。 埴輪の数や大きさや展示順から、すべて見やすく、というのはなかなか難しいのでしょう。
熊谷市大境古墳出土の武装した男子埴輪。 二本足の埴輪です。 袴のふともも部分がまんまる。球体。ボールが2つはめ込まれている。 上着のウエストから裾までも、丸みが強い。 三次元なのになぜか二次元を感じる。極端で、現実から離れているからか。
稲荷山古墳出土の眉庇(まびさし)付冑をかぶった男子埴輪頭部。 埼玉県立さきたま史跡の博物館に所蔵されている埴輪の兄弟だ。 こちらは顔の下の方が欠けているが、粘土の色や顔の赤い彩色など、似ている。 冑の形は少し違う。こちらのほうがシンプルか。
下松5号墳出土の男子埴輪。 弓を担いでいる。 弓は琴板のようなものに乗せられている。 その板を持つ左手は体のわりに大きくて、5本の指がしっかり作られている。 右腕は欠けている。見たかった。
大刀形埴輪。 靫(ゆぎ)形埴輪。
ほか、古墳時代よりあとの物ですが、大刀や剣や鍛冶に関するものが展示されています。
企画展は撮影不可。
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常設展
部分的に撮影可。 写してはいけないものが入りこまないように撮りましょう。 展示室全体は撮れませんね。
男子埴輪 冠よりも、美豆良よりも、手の指のこだわり。 手首はない。
女子埴輪 貼りつけ顔はなぜか魅力を感じる。
馬形埴輪 ふっくらな馬。
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入口
奥に見えるは
弥生時代の復元住居。
なかには入れませんよ。
ほか、方形周溝墓も再現されていました。
このページの画像はすべて、上記館所蔵もしくは展示の作品などを、埴子が撮影したものです。 |
2014/11/06訪問
と
まあまあ近い
徒歩20分ほどの距離
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