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ジョルジョ・デ・キリコ −変遷と回帰−

於・パナソニック汐留ミュージアム

の目撃談 (201424)

 

 

キリコはなみなみが好き。

キリコは柱が好き。

キリコはビスケットが好き。

 

キリコは斜めの直線が好き。

キリコは定規が好き。

 

キリコはギリシャ・ローマ神話が好き。

登場するのは、ミノタウロス、オデュッセウス、アガメムノン、ミューズ、ヘクトル、アンドロマケ、アンティゴネ、ユピテル、メルクリウス、ヒッポカンポス、ネメシス、など。

かなり好き。

 

キリコは馬が好き。

馬の目は赤が好き。

 

 

さーっと眺めると、製作年順に並んでいるわけではないことに気づく。

 

なぜなのか。

それは

キリコは回帰するから。

キリコは描きなおすから。

キリコは実際とは異なる製作年を作品に書き入れるから。

などなど。

キリコは並べるのも簡単じゃないようです。

 

モチーフ別、というのがいいかも。

でもそのモチーフも1つじゃない場合もある。

 

《福音書的な静物》1916

定規とビスケット。

初期の「形而上的室内」の作品ではこれ。

全体を見た後だと、キリコらしさを強く感じる。

 

デッサン多数。

キリコ自身の線、タッチ、テイスト、マチエール、とかそういったものは、なみなみ。

短い曲線の繰り返し。重なり。

 

《イーザの肖像》 1934-35

中ではこれが目を引いた。

 

デッサンの展示室の壁にも影絵的映像。

キリコのモチーフがくるくる回る。

 

二つ並べる、というのもキリコの要素。

《母親のいる自画像》1921

《イーザとジョルジョ》

2つの仮面》1970

《不安を与えるミューズたち》1974

《慰めのアンティゴネ》1973

ブロンズ像はほとんど対。

 

馬はとにかく多い。

しかもしっぽが地面に着くほど長く豊か。

《古代の馬》ブロンズ

《馬と縞馬》1948

2頭のフリギア馬》1945年頃

地上で渦巻くしっぽ。

以上は2頭ずつ。

 

《海岸の2頭の馬》

2頭とキリコは言いますが、3頭いるよ。

いるよね。

3頭目は私にしか見えていないのか。いやいやそんな。

 

《後肢でたちあがった馬、侵入者》1970

その後肢は画布のそと。

 

《白馬の頭部》

目が赤い。その目に表情がある。

浮き出る血管。

人間の顔のよう。

 

 衝撃だったのは

《エーゲ海岸の古代の馬》1950年代末

二重の額縁。

キャンバスのふちに、額縁が描かれている。

その絵を額縁に入れている。

よほど力の入った作品なのでしょうか。

115×84cm)と、大きいし。

 

ところが、本展の図録やポストカードでは、この絵に額縁はない。

なぜ。

描かれた額縁は私にしか見えていないと言うのか。キリコ。

 

それは置いておいて、

キャンバスの額縁とそっくりの額縁を作って入れたらおもしろいかも。

 

《ノートルダム》1962

おそらく形而上絵画ではない風景画なのに、なぜか印象的で、なぜか不安になる。

空のタッチのせいか。

白の使い方のせいか。

 

《噴水と邸宅の風景のある形而上的室内》1955

定規とビスケットに加え、絵の中の絵。

 

《ビスケットのある形而上的室内》1968

定規とビスケットと、絵のような窓。

 

フリーハンドで真っすぐな線を描こうとすると、曲がったり角度がおかしくなったりするらしい。

直線は定規で引いているらしい。

黒い直線はなみなみ好きキリコを引き立たせる。

 

《古代的な純愛の詩》 1970年頃

本展の顔。

足、魚。マグリットを思わせる。

 

マグリットはキリコの《愛の歌》に衝撃を受けたという。

影響や刺激を受けた人は多数。

アンドレ・ブルトンもキリコにのめり込み、1924年のシュルレアリスム宣言へ向かった。

そこから大きなうねりが始まる。

 

キリコは人を触発する、触媒のような人。

 

そんなキリコを触発するのは、キリコの好きなもの。

 

マグリットの色づかいにくらべ、キリコの色はやや濁っている。

キリコは濃い緑やオレンジ。

マグリットは断然青。

マグリットが外界を思考で切り分けて再構成している、としたら、

キリコは内面を感性の導くままに取り出して再構成している、という印象。

キリコを導いているのは主に不安か。

 

《不安を与えるミューズたち》油絵とブロンズ像がありました

柱のようなスカート。

ミューズのスカートはちくわぶ風。

多くの作品に登場する、折れて転がった柱もちくわぶのような形状。

折れていない柱はちくわぶ状ではないようだ。

 

そして本展ではまってしまったのが、このブロンズ像の周りに現われる影絵。

現われて揺れて回って消える。

ついつい影を追いかける。天井の投影装置を探す。

ずっと見ていられる。

 

《燃えつきた太陽のあるイタリア広場、神秘的な広場》 1971

太陽。なみなみ、というよりこれは、うねうね。

イメージの力で見たメキシコの《毛糸絵「太鼓の儀礼」》を思い出す。

参考 イメージの力 の目撃談 

太陽のうねうねが毛糸に似ているからか。

 

影絵と言えば、入口に太陽の影絵があります。

壁に太陽、床に燃えつきた太陽。

動く動く。これも気づいたら見てしまう。

動いているから、しばらく見ていたくなるのか。

 

《神秘的な動物の頭部》 1975

牛っぽい。

馬をイメージしているのかな。キリコだし。

馬と書かずに「動物」としているのだから、馬でもないのか。

 

《黒い宝》 1976

時事的な問題を主題にしたそうだが、なんだかキリコらしくない。

作品は悪くないのですが。

内面から出たモチーフではないからか。

 

 

作品名に

“retour”(帰還)

“mystérieux” (神秘的)

という言葉が多く出てくる。

キリコの言葉のモチーフ。

 

章タイトルでは“retour”は「回帰」。

 

 

 

 

 

 

ルオーギャラリー。

 

《飾りの花》1947

ルオーに花のイメージはなかったのですが、これは魅力的。かつルオー的。

  

 

今回の特記事項

 

この美術館の展示は、反射が少なくて見やすい。

これはいつものことなので、見終わってから思う。

さすがパナソニック。

 

今回は影絵(というのか投射映像)がすばらしい。3カ所にありました。

 

映像は展示室内のインタビュー映像と、美術館の外の映像2つ。

 

インタビュー映像は16分。

インタビュアー、質問の仕方がひどい。それを手だと思っているのかもしれないが。

キリコ、途中いらついてましたが、

最後に

「私と私の仕事に興味を持ってくれてありがとう」

とまとめるあたり、なるほどそこがマエストロ。

 

美術館の外の映像は13分。

見たかったのですが、ちょっとだけで帰りました。

うしろでお仕事の話の声が響く状況では、とても落ち着いて見られません。

映像の方の音声が聞こえないし。

最前列なら何とかなるかもしれないけど。

パナソニックさん、対策をお願いします。

  

  

 

混雑状況報告。

 

そこそこ人がいましたが、ぶつからない程度。

作品の独占はときどきできました。

部屋の独占は無理でした。

 

4往復半ぐらい。

 

 2014/11/11(火)14:00-17:00訪問 

  

感覚的には2時間たらずだったのですが

 

気づけば17時 3時間いました

浦島埴子

 

 キリコとパナソニックのマジック

 

 このページの画像はすべて、埴子が撮影したものです。

 

 

ジョルジョ・デ・キリコ −変遷と回帰−

会場|パナソニック汐留ミュージアム

会期|20141025日(土)〜1226日(金)

 

   

  

    

 

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