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夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ

於・Bunkamuraザ・ミュージアム

の目撃談 (201426)

 

 

セザンヌ2点。

本展トップバッター。もちろんいいのです。が、本展の主役ではない。

 

シスレー2点。

アルフレッド・シスレー《サン=マメスの船着場》1885

なんだかよかった。手前の船がいいのかな。

 

モネ4点。

クロード・モネ《エトルタ、夕日のアヴァル断崖》1883

目を引く。

しかし、岩の形自体が面白すぎて、逆に絵に描くにはどうなのか。

やや狙っているように見えてしまう。

 

クロード・モネ《睡蓮のある池》1919

本展のモネではこれがよかった。筆の勢いがよい。

公式サイトによれば

『もともと横長の構図だった本作は、中央で二分割され、この作品はその右側にあたる。』

左はどこにあるのかしら。

と誰しも思うだろう。

どこにあるのかしら。ないのかしら。

元通りにつなぎ合わせるとよりよくなるかどうかは、また別のはなし。

 

とりあえず、元の絵では真ん中だったと思われる左端の前に立ち、見る。

 

ルノワール7点。

ピエール=オーギュスト・ルノワール《アネモネ》

先日国立西洋美術館で見たバラを思い出した。

参考 フェルディナント・ホドラー展 の目撃談

 

アルベール・マルケ《ナポリ湾》1908年か09

船の影の黒の力。重量を感じる。

マルケは一点しかなかったけど、その一点がよくてラッキー。

でももっと見たい人だ。

 

ヴラマンクは10点。

 

モーリス・ド・ヴラマンク《カシスの港》1917年頃

筆致が魅力的。

構図もよい。

しかし三色旗って目立つ。これは目立ち過ぎと感じる。

もっとも、目立たないような旗などあげる意味はないか。

白がいいだけに、色彩は邪魔なのか。

旗の白が白すぎるのか。

 

モーリス・ド・ヴラマンク《踏切のある風景》1953

赤白の踏切の遮断棒に目が行くが、目立ち過ぎというほどでもない。

 

モーリス・ド・ヴラマンク《雪の道》1920年代以降

白がよい、が、その白が多すぎるか。

 

モーリス・ド・ヴラマンク《嵐のあとの村》1920年代以降

雲のよさが際立っている。

道もいい。

白の乗せ方。泳がせ方。

 

モーリス・ド・ヴラマンク《赤い屋根のある風景》1920年代以降

屋根と同じオレンジがかった赤と、緑を掃くように塗った地面。

木も雲もよいし、色なら白の人だと思うが、迫力の地面に見入ってしまった。

本展一番。

 

モーリス・ド・ヴラマンク《風景》1920年代

雲が。

これは見事な調和。ベストなヴラマンク。

 

ヴラマンク、なぜ斜めになるのだ。

左斜め上に吹き上げられるような家や木々。

花瓶さえも斜め。

 

花瓶もの、2点ありました。

白い花瓶のほうがいいかな。でも風景のほうがずっとよい。

 

ルオー6点。

ジョルジュ・ルオー 《装飾的な花》 1953年頃

先日パナソニック汐留ミュージアムで見たものもよかったが、これもよい。

注文に応じて、それこそ装飾として作った作品らしいが、よい。

筋肉の人だから、花もイメージに流されず力強いからか。

むしろ力を抜いて描いているからか。

 

アメデオ・モディリアーニ《バラをつけた若い婦人》1916

まなざし。

黒の背景に、黒い服、黒い髪の女。

引っかいたような髪の流れ。

黒い服の上のバラの赤。

 

ユトリロ11点。

モーリス・ユトリロ《モンマルトルのコルト通り》1913

これはなんとなくよい。

ほかは輪郭も色もくっきりのものが多かった。

 

マリー・ローランサン4点。

アンリ・ルソーに刺激を受けた、との解説あり。

刺激。そうね。受けるわね。

 

藤田6点。

藤田 嗣治《バラを持った少女》1957

肉を介さない子供を愛す藤田。

 

キスリング7点。

うち女性像2点。アンリ・ルソー的なものを見る。

 

シャガール4点。

マルク・シャガール《太陽の中の雄鶏》1980

雄鶏といえば埴輪を連想する。立ち止まって見てみる。

太陽の中に雄鶏。太陽より赤い雄鶏。太陽を赤くしているのが、雄鶏か。

木の陰にいるのは馬かな。

 

月にいるのは兎。日本では。

フランスでは、月には何がいるのか。

 

 

評判がいいので気になっていた展覧会。

チューリヒ美術館展でいいと思ったヴラマンクが出ているというので、行くことにしました。

参考 チューリヒ美術館展 の目撃談

行ってよかったです。

 

もっとも、行って残念な展覧会というのはめったにない。

  

 

今回の特記事項

 

この展覧会、なぜヴラマンクをもっと推さないのか。

フライヤーに一枚もない。

公式サイトにもない。

ミュージアムショップのポストカードは花瓶のものだけ。

Bunkamuraサイトでは、動画には登場するものの、他に画像なし。

タイトルからしてルノワール中心に組み立てた企画展なのだろうけれど。

フランス絵画、しかも夢見る…

 

フォーヴィスム、今回は脇役か。

 

牙をむくフランス絵画展も企画して欲しい。

 

  

  

 

混雑状況報告。

結構な混みようでした。

並ぶ必要はないけれど、しっかり見たい作品は少しタイミングを見なくてはなりません。

 

会期最終週ですから、しかたないですね。

むしろ、それにしては空いていた、といえるかもしれません。

 

2往復半ぐらい。

 

 2014/12/09(火)13:30-14:30訪問 

  

  

 

夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ

会場|Bunkamuraザ・ミュージアム

会期|2014/10/18(土)−12/14(日)

 

巡回

2015627日(土)〜823日(日) 北海道立近代美術館

2015920日(日)〜1123日(月・祝) 宇都宮美術館

 

   

  

    

 

このまえの目撃談 (201425)

 チューリヒ美術館展 の目撃談

 

このあとの目撃談 (201501)

高松次郎ミステリーズ の目撃談

 

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