画鬼・暁斎 KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル

於・三菱一号館美術館

の目撃談 (201511)

 

前庭でドライミストを浴び入館

煙吐く柱怖いか涼しいか

 

すずしい

 

 

後期展示を見ました。

 

河鍋暁斎《 枯木寒鴉図》 明治141881)年

あっさりしているとごまかしがきかない。

ごまかしのいらない上手さ。

 

師弟鯉対決。

 ジョサイア・コンドル《鯉之図》明治期

 河鍋暁斎《鯉魚遊泳図》明治18-191885-86)年

 

埴子の軍配は、コンドルだ。

コンドルのほうが、水が水らしいから。

暁斎の水は、風みたい。《鯉図》1888も。

それから、エビとか水草とか、余計なものを描き過ぎ。そもそも鯉が多すぎる。

 

ほか、コンドルの作品でよかったのは《竹図》。

 

以下、暁斎。

 

《日光地取》明治181885)年

絵巻。

スケッチブックかな。縦横や上下を好きに使っている。

それでも、岩が本画並みの迫力。

滝は雑。この人は、水は苦手か。

 

《白鷺に猿図》1884

白鷺の下で、頭を抱えて怖がっている猿。

遊びを入れつつ技術を見せているというところか。

 

《羅漢に蛇図》1886

蛇に耳。龍?

 

《蜥蜴と兎図》明治21年頃(c.1888

前の兎がトカゲに飛びついている。

後ろの兎は怒っているように見える。俺が狙っていたのに。とか。

 

《うずくまる猿図》明治21年頃(c.1888

ほわほわの猿の毛。

岩や背景の木との差を出し、よりほわほわ。

しかし猿以外までしっかり描き込み過ぎ。

 

《蛙を捕まえる猫図》明治21年頃(c.1888

蛙がどう見ても鳥獣戯画の蛙。

 

《小禽を捕える鷲図》明治21年頃(c.1888

 

《金魚と遊ぶ小童図》明治21年頃(c.1888

小童どもの背後に、紐でゆわえられた亀。

 

とっ捕まえるシリーズ多し。

捕まえられているほうの表情が豊かで、鳥獣戯画感強し。

 

《ぶらさがる猿図》明治21年頃(c.1888

枝をしっかりつかんでいる前脚。顔はふざけている。

 

《牛と牧童図》明治21年頃(c.1888

なんとなく、中国を思わせる光景。

 

《伊邪那岐と伊邪那美図》

髪形や服はどこから持ってきたんだろう。参考にしたものが知りたいなあ。

 

《鳥獣戯画 猫又と狸》

鳥獣戯画というそのままのタイトル。きっとかなり、リスペクト。

右下にいるのはモグラかな。

 

《鳥獣戯画 動物行列》

蛙は鳥獣戯画で完成されたとみなしたのか、ほぼそのまま踏襲したように見える。

 

蛙は口が大きいから表情が出て、描くにはいい動物なのかも。

 

《群猫釣鯰図》

なんとなくよい、と思ったのは、比較的描き込み過ぎていないからか。

 

《風流蛙大合戦之図》

青や赤の色が鮮やか。

それ以上に、水鉄砲の勢いよ。

やっぱり水には見えないんだけどさ。

 

《猪に乗る蛙》

イノシシは擬人化しない、というところも鳥獣戯画を踏襲。

 

《見立七福神之内 花見弁天図》

まん中の貼りつけたような絵が二枚。

青い絵が、マグリットみたい。

 

下絵の写真付きの作品も多く、描く過程が垣間見える。

 

画鬼エピソードは、芥川の地獄変っぽい。

 

全体に描き込み過ぎなところが気になった。

一枚の絵の中に、テーマが幾つも詰め込まれている感じ。

作業の手が速い人だった、との説明書きがあった。善し悪しだ。

天は二物を与えずというのは、こういうことかも。

 

  

  

動物を描いたもの多し。

インターメディアテクではく製や骨格標本を見たあとだったので、

実物や骨のイメージと重ねて見る結果になった。

なかなか良い体験。

インターメディアテク の目撃談

 

コンドルの雅号は暁英(きょうえい)。

暁斎の暁とイギリスの英。

何となくお相撲さんを連想したが、名付けの手法が同じということか。

 

 

かがんで見る作品が多かった。

立体展示物だと珍しくないことなのですが、平面作品ではあまりないことです。

掛け軸の位置が低すぎる。

天井の高さはそこそこだと思うけど、やっぱり美術館にしては低いのかな。

残念。もったいない。

  

  

 

混雑状況報告。

 

やや混み。

部屋の独占は無理。

作品ごとの独占も難しいが、待てば可能。

 

さらっと一回。

 

 2015/08/04(火)訪問 

   

 

会場|三菱一号館美術館

会期|2015627日(土)〜96日(日)

   *展示替えあり前期:82日(日)まで/後期:84日(火)から

 

    

    

 

このまえの目撃談 (201510)

インターメディアテク の目撃談

 

このあとの目撃談 (201512)

伝説の洋画家たち 二科100年展 の目撃談

 

埴輪その他の鑑賞レポート・感想文

埴輪などなど目撃談

 

2010-2013のレポート・感想文はこちら

埴輪目撃談(2010-2013

アート感想文(2010-2013

 

 

埴輪のとなりTOP

 

 

inserted by FC2 system