東国千年の都 10周年記念展示 いまなお ひかり放ちて

於・高崎シティギャラリー

の目撃談 (201701)

 

 

選ばれたる東国の埴輪たち。

さすがに個性が強い。

馬形埴輪(白藤V-4号古墳)

 

出ました。

この馬の前では、みな立ち止まってしまう。

 

 

馬具もつけている

 

しっぽ巻き巻き。

 

でもやっぱり顔

1500年前にこれを作った人を私は尊敬してやまない。

 

 

小像付円筒埴輪(後二子古墳)

 

小さめの四角い透孔が面白い

そんな円筒の側面で

バタバタしている彼ら。

 

追われるは

猿の親子。

 

親はともかく、子は単独で見たら猿かどうかわからない。

親の前脚が円筒に付いていたことを示している。

 

追うは

犬。

 

のんきな顔に見える。

円筒はだいぶ復元で、犬のくっついていた部分は出土しなかったらしい。

犬の脚の方に、くっつき跡があるのでしょう。

猿の目線の先にいた、と推定して位置を決めたのかな。

 

反対側から見るとただの円筒埴輪

 

かどうかは、わからない。どこかに埋もれた別の像があるのかも。

 

この追いかけっこを

横目で見ている人がいる。

 

線刻人面付円筒埴輪(中二子古墳)

 

静かに見ている。

 

 

やはり顔

 

顔の線刻は入れ墨だろうか。

左右で違うようだ。

 

何かを言いかけている

 

そういえば

人物・動物埴輪の口はたいてい開いている。

中空だからかな。

 

円筒埴輪の線刻や彩色を、すかしあなが圧倒していった歴史が、

人物・動物埴輪にも反映されているのか。

 

表面より構造。

効果的な表現。

 

この人面付円筒埴輪が、今回いちばん見たかった埴輪でした。

見に来る価値あり。

 

 

鵜形埴輪(保渡田八幡塚古墳)

 

魚をくわえた鵜です。

首に鈴。鵜飼いの鵜です。

 

掲げた魚は何の魚だろう。

 

鳥形埴輪には珍しく、頭部が空洞。

 

くちばしに近いほうの穴が目、遠いほうが耳らしい。

 

尾羽が長く伸びている。

 

 

歯のある人物埴輪(山名原口U遺跡1号墳)

 

この埴輪だけケース入り。

顔の一部しか残っていませんが、その顔に情報が残っています。

 

歯の代わりに石が詰められています。

それは分かるが

 

なぜ鼻の穴にも石?

 

たぶん盾持ち人埴輪だろうとのこと。

その理由の一つが、歯をむき出しにしていることだそうな。

ただし昨年さきたまで見た歯のある埴輪は、盾持ち人埴輪ではなかった。

新収蔵品展(埼玉県立さきたま史跡の博物館) の目撃談

理由のもう一つは、頭部が大きいことかな。顔の幅が40cm、目の幅10cmくらい。

盾持ち人以外では、たいてい首がある。

首のある埴輪だと、その上の頭部は大きく作りにくいでしょう。

 

大きな耳輪。ギザギザの被り物。

全体が残っていたらなあ、と思ってしまう。

 

埴輪以外の出土品。

 

歯つながり。

 

馬の歯(剣崎長瀞西遺跡出土、5世紀後半)

 

茶臼(元総社蒼海遺跡群出土)

 

前方後円墳は、茶臼に例えられることがあった。

「茶臼山古墳」と呼ばれている前方後円墳が各地にあることで、それがわかる。

円部は、まあまあ茶臼に似ているかも。でも方部がない。

 

お茶を曳いて飲む風習は、鎌倉時代に日本に伝わったらしい。

茶臼は古墳時代の埴輪地域にはなかった。

 

 

弥生土器。

 

赤彩壺(高崎市八幡遺跡出土 弥生時代後期)

 

鋸歯紋が描かれている。赤い色で塗りわけたことで、ギザギザが際立つ。

 

壺(西迎遺跡出土 弥生時代中期後半)

 

こちらは塗ったわけではないようです。

おそらく焼きによる赤と黒の色の出具合がすてき。

そして波のような紋様が、またいい。

 

人形土器(若田坂上遺跡出土 弥生時代後期)

 

中空ではないですね。

 

 

戦国時代の出土品

 

気になったのは右下の鏡(大胡城、15世紀)。

直径3cmくらいしかない。

どういう使い方をしたんだろう。

実用品なのか、お守り的なものだったのか。

 

広くはない会場ですが、展示数多し。

各時代の選りすぐりの出土品が並んでいました。

しかも大半が直置き。直接、しかもかなり近くで見ることができます。

 

入り口でパンフレットを頂きました。カラー8ページ。写真枚数多し。

 

お得な展示。

 

 

混雑状況報告。

 

初めは会場内に3-4人。

ぐるっと一周。二週目は撮影。

何枚も撮らせていただきました。かがんで下から、精いっぱい横の奥から、などなど。

途中から、少し混みだしました。10人くらいいたでしょうか。

最後に全体を一枚撮りたかったのですが、撮りにくくなったので退散。

それでも30分はいたと思います。

 

 

2017/01/19(木)訪問

 

 

◎平成28年度前橋・高崎連携事業文化財展 東国千年の都 10周年記念展示 いまなおひかり放ちて

会場および開催期間

前橋プラザ元気21 1階にぎわいホール: 201716() 111()

高崎シティギャラリー 2階第6展示室: 2017114() 123()

 

 

 

このまえの目撃談 (201629)

デトロイト美術館展(上野の森美術館)の目撃談

このあとの目撃談 (201702)

粟津則雄コレクション展 “思考する眼”の向こうに(練馬区立美術館)の目撃談

 

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