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駒井哲郎 夢の散策者

およ

2017 MOMASコレクション 2

於・埼玉県立近代美術館

目撃談 (201729)

 

  

二階へ。

 

駒井哲郎(1920-1976)

 

いちばん初めに展示してある《夢の始まり》1949年は

だいぶ離れたところに展示してある3作品

《夢の推移》1950

《消えかかる夢》1951

《夢の終り》1951

と連作のようだ。それなら4作品まとめて並べてほしかった。

それはともかく

これは目の絵だ。

夢も目で見る。

 

《小さな幻影》1950

《束の間の幻影》1951

浮かんでいる。幻燈。

 

《時間の迷路》1952

出口なのか入口なのか、切り取られた道か。

 

円錐形が気になる。

《箱の中》1952

《鬼火》1953

 

街は四角のあつまり。

《夕べの街》1953

《街》1973

20年たっても四角。

 

安東次男との共同制作詩画集『からんどりえ』より

Juin「球根たち」》1960

詩を読む。

これは6月。あと11月があった。全部見たい。読みたい。

 

 

画布にはじかれた水がそのまま置かれているような絵がある。

リフトグランド・エッチングなる手法で描かれたらしい。

展示室には版画技術についての解説があったのだが覚えられず。

《読書する人》1960年頃、《鏡》1962などは、水色が印象的。

 

1963年、交通事故に遭う。一年間の療養生活。

 

《花》1965

花は水色とピンク。

花瓶の右奥にもピンク色が見える。落花?

 

《庭の一隅》1965

かたつむり。駒井哲郎といえば鳥と思っていたので意外な選択。

 

そういえばほかに動物は魚が目立った。

 

《大洪水》1965

手前、犬や猫の足跡に見えるものがいくつか。

 

安東次男との共同制作詩画集第二弾『人それを呼んで反歌という』より

表紙などは、同心円と渦巻きが気になる。

渦巻きはかたつむりとつながってる?

《「詩人の肖像」》1966年がよい。

 

《橋》1966

旗のような矢印のような。

橋というより道のイメージを受けた。

 

《ラジオ アクティビティ イン マイ ルーム(『一木集』Y)》1950

 

今日のもう一つの目当ての恩地孝四郎。駒井哲郎のあこがれの人だったらしい。

 

恩地孝四郎《リリックNo.9はるかな希い(『一木集』Y)》1950

この人はこの人の世界をしっかり出す人。

 

オディロン・ルドン《目にみえない、奇妙で、幻想的で、生まれる前のものたちからできている世界が、なぜ存在しないというのか?》1887

生まれる前のものたちの顔がぽこぽこ上がってくる。

沸騰させた鍋の底から上がる気泡のようだ。

 

《静物》1968

幕の前と後ろの静物。静かに何かを訴えている。

 

《星座》1969

きれい。色もカラフルだけどやりすぎない華やかさ。

いろいろ考えて、いろいろやってみるけれど、

ふと、ただただきれいっていうものも必要だ、ということに気づいたような絵。

 

《二樹》1970

以前ルドン展で見た《樹》(1892年)リトグラフを思い出した。

ルドンとその周辺―夢見る世紀末

ただよう詩的な空気が似ている。

 

《レースのある静物》1975

静物はモランディを思い出す。

レースは長谷川潔。

 

《影(〈日本の四季〉より冬)》1975

どこかマグリットやシュルレアリスムの匂い。

 

 

駒井哲郎のどの絵にも、人間の顔みたいなものが見える。

ルドンみたいに顔として描かれた顔ではない。

駒井哲郎は見えてしまう人だったのかな。見えたものをそのまま描くとこうなる。

と思ったら

最後のコーナーの作品《帽子とビン1975年の解説に

「この夏の帽子は人の顔に見える」と息子さんに言っていたそうな。

 

 

関連資料に雑誌などあり。

 

宇佐見英治の文章。(明日を創る人・1駒井哲郎『藝術新潮』)

知覚とイメージは対立するものではなく、強め合うもの。

駒井哲郎が求めている、普遍性と、…

 

あともう一つ何だったか思い出せない。

なぜメモを取らなかった自分。は置いておいて

 

この世界全体の普遍性を表現するには、

技術も知識も思想もなにもかも、把握してから取り掛からなければならない、

と思っていたのか。

 

しかしそれでは死ぬまで何もできなくなってしまいそうだ。

無知は困りものなのは確かだが。

 

奥村土牛「どこまで大きく未完成で終わるかだ」

そういうことか。

 

 

出品リストあり。

展示室前に置かれている紙のリストには、各章の解説も載っています。

サイトに載っているリストにはなし。

 

図録はなし。

葉書は三枚くらい。

 

  

 

 

一階に降りる。

 

2017 MOMASコレクション 2期。

 

1 セレクション

 

いちばん初めのドラクロワに引き付けられる。

ウジェーヌ・ドラクロワ[1798-1863 《聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち》 1860

青と赤。やっぱりこの人は何かある。

 

ウジェーヌ・ブーダン[1824-1898] ノルマンディーの風景》 1854-1857

もよい。手前の川の面積が狭いので、水に映った空が小さくて残念だが。

 

しかし今回いちばんはパスキン。

ジュール・パスキン[1885-1930 眠る裸女 1928

光、色、質感、どれも柔らかさがよい。

パスキンはこれまで特にひかれなかったのに、不思議だなあ。

 

 

2 遠藤利克―供犠の論理学

 

夏の企画展「遠藤利克展—聖性の考古学」の連動コーナー。

企画展は気になったけど見なかった展示。行けばよかった。

 

《泉―9個からなる》1989年 木、タール

くりぬかれた大きな丸太、焼け焦げている。ところどころ光っているのはタールか。

円筒、炎、供養。埴輪を連想せざるを得ない。

いろいろ考える。何かのヒントだ。

 

 

 

 

 

 

混雑状況報告。

 

自分のペースで見ることができます。

混雑はせず、ガラガラでもなく。

 

 

 2017/09/29(金)訪問 

   

 

駒井哲郎 夢の散策者

会場: 埼玉県立近代美術館

開催期間:2017912 () 109 (月・祝)

 

 

2017 MOMASコレクション 2

会場: 埼玉県立近代美術館

開催期間:2017722(土)〜 101日(日)

 

     

    

  

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