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没後40 熊谷守一 生きるよろこび

於・東京国立近代美術館

目撃談 (201738)

 

  

熊谷守一(18801977)。

 

サイトを作っていて気がついたが、熊谷守一と伊藤久三郎は同年に他界している。

熊谷守一のほうが26歳年長。長生きした。享年97歳。

 

 

久しぶりに来た近美、企画展入口を間違える。

奥じゃなくて、手前でした。

何とか入場。

 

 

 

《轢死》1908

暗色化が進んでいてよく見えない。1909年作の《蝋燭(ローソク)》も。

会場を一往復半したので、二回目に見たときには手前に人体があるらしいことが分かった。

絵がどうこうというより、轢死事件が守一に与えた影響が、この後も響いたらしい。

 

《馬》1913

何でもない馬、ただ横から描いた馬だがよい。

あまり製作しなかったころの絵らしい。

 

《某夫人像》1918

人物像の中では珍しい、明るい雰囲気。色は抑えめだが。

のちの妻がモデルだそうな。

解説によると、結婚まではごたごたしたらしい。某「夫人」というのは願望?

 

《人物》1927

ナビ派っぽい。

ランス美術館展で見た、エドゥアール・ヴュイヤールの《試着》(1892頃)を思い出した。

 

《ひまわり》1928年 個人蔵

輪郭くっきり、もはや守一。守一のひまわり。

 

《チュウリップ》1934

タイトルがチュウリップでなければ何の花かわからない。

が、モチーフが何であっても、もう安定感がある。

 

《心月輪(しんがちりん)》1940年 紙本墨書

文字の配置がおもしろい書。「輪」の字を見てしまう。

 

《熱海》1948

輪郭くっきりだが、海の色の変化はグラデーション。めずらしい。ちょっといい。

 

《石亀》1957年 愛知県美術館 木村定三コレクション

翌年制作の輪郭くっきりのほうより、輪郭線がないこちらのほうがよかった。なぜだろう。

 

《山茶花》1958

背景の水色と、雄しべの黄色の呼応のせいか、ひかれた。

全体は花の曲線で丸く柔らかい。ちぎり絵っぽい。

 

この絵にひかれたのは

来る前に内堀通りで

この花を目にしたせい?

たぶんサザンカ

青に黄色

はなびらは赤い

 

守一の山茶花はピンク。青も黄色ももっと淡かった。

葉の色が濃い緑というところは一致。

 

《鬼百合に揚羽蝶》1960年 個人蔵

前年製作の、あまり輪郭が太くないものより、輪郭の太いこちらが良かった。

 

《童子遊漁の図》1961年 個人蔵

大きな魚を童子が抱く。

面白い構図だが、子どもの顔は描かれていない。

マグリットを思い出した。

 

《宵月》1966年 佐助文庫準備室蔵

背景に濃い青はめずらしいが、白く輝く半月が際立つ。

樹は黒い。なにより、赤い輪郭線が効いている。

本展いちばん。

 

《熊蜂》1972年 個人蔵

水色に、蜂の胴の黄色。

22.7×15.8pと小さい絵だが、目を引く。

 

 

 

 

 

守一に特徴的な輪郭線。

 

輪郭を描き始めたころは、輪郭をけずって輪郭線にすることが多かったようだ。

だんだん、輪郭線を描いておいて、それを残すように色を塗る作品が増えていく。

ときどき輪郭線がない絵を描いている。なぜなんだろう。

 

ケズリとノコシとナシ。

 

 

キャンバスよりも板に描いたものが目立った。

なぜか。

けずるためか。

布より板のほうが色の乗りが良かったか。

 

 

横たわる死者の像を、縦にすると生きているように見える、という守一。

生と死は90度の違いか。

晩年は人物より動物や虫を多く描いたから、縦横は問題ではなくなったか。

どの画布の上の生き物も、もはや死んでしまったが。おそらく守一より先に。

最晩年、生と死の境界線をどうとらえていたのか。

 

 

 

ぶあつい図録がありました。

今回は見ず買わず。

 

ポストカードの種類はかなり多かったものの、自分のひかれた作品はなかった。残念。

 

  

 

混雑状況報告。

 

そこそこ人が入っています。

ですが、チケット購入も入場も行列なし。 

会場内も、見るのに困るほどは混んでいません。

タイミング次第で、好きな絵を10秒以上独占できます。

 

一往復半。

 

 2017/12/07(木)訪問 

   

 

没後40 熊谷守一 生きるよろこび

 

於・東京国立近代美術館

開催期間:2017121日(金) - 2018321日(水・祝)

(前期:121日〜121日、後期:123日〜321日)

 

於・愛媛県美術館

開催期間: 2018414日〜617

 

     

    

  

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