企画展 生誕150年記念 横山大観 ―東京画壇の精鋭―
於・ 山種美術館
の
目撃談 (2018の3)
よかったものは、岩・山・雲・竹。 苔や滝もよかった。
葉や花は全般にあまりうまくないと思う。 色の使い方がいまいち。 家も浮き上がってしまっているように見えた。 上手い、と思ったら大観の作品じゃなかったりする。
富士山にたどり着いたのは当然の帰結か。
《楚水(そすい)の巻》1910年 《燕山(えんざん)の巻》1910年 どちらも、山というか岩はひきつけられる。 他が足を引っ張っているように感じる。
《竹》1918年 節にかかる力が感じられる。
ちなみに 唯一撮影可能な作品 《作右衛門(さくえもん)の家》1916年 の 竹
これも節がよいが、《竹》の節のほうが断然よかった。
《木兎(みみずく)》1926年 何となく見てしまう。
《叭呵鳥(はっかちょう)》1927年 こちらも目が行く。 動物は魅力がある。《蛙》1938もよい。
ちなみに 《作右衛門(さくえもん)の家》1916年 の 馬
脚は不自然だが、顔やたてがみには引き込まれる。
《華厳瀑》1932年 立ち止まらせる滝。 ダブル・インパクト展で見た、ボストン美術館の《滝》を思い出す。 もっと朦朧体が見たい。
《富士山》1933年 雲海がよい。 富士山自体はまあまあか。 でも富士山作品の中ではいちばん。
《春朝》1939年 苔の生えた山桜の幹がよい。 桜と葉はピンと来ないが。 地面のぼかしがよい。 そっと配されているタンポポも悪くない。 本展いちばん。
人物画は今回これというものがなかった。
ちょっと期待しすぎたか。 4月からの近美の展示を待とう。
大観以外。良いものがそろっている。 橋本雅邦 《深山幽谷図》1899年 下村観山 《朧月》1914年 西郷弧月 《月・桜・柳》1901年 菱田春草 《釣帰(ちょうき)》1901年 小林古径 《牛》1943年
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混雑状況報告。
チケット購入も観覧も行列なし。 ほどよく盛況。 と思って会場を出たら、団体さんが入場準備中。あぶなかった。
2018/1/18(木)訪問 |
◎企画展 生誕150年記念 横山大観 ―東京画壇の精鋭― 於・ 山種美術館 開催期間:2018年1月3日(水)〜2月25日(日)
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