パナソニック創業100周年特別記念展 日本の四季 ―近代絵画の巨匠たち―
の
目撃談 (2018の7)
「春」 前田青邨《双鯉》1950年代 58.0 × 74.5p 紙本着色 水の中の鯉二匹。 青と白の水、ひらひらした尾びれ。 春の絵として展示されていたが、夏に見たい涼やかさ。
「夏」 林武の赤がよい。濃くて艶のある赤。 椿もよかったが、やっぱりバラ。 林 武 《バラ》制作年不詳 52.3 × 44.7p カンヴァス、油彩 そのうちでも、テーブルまで赤いこの絵がよかった。 バラを活けた壺にも花の絵。こちらの花は控えめな赤。 花びらの縁が黒。際立つ赤。椿との違い。
ほかにも中川一政や梅原龍三郎のバラをはじめ、多種の花が並んでいた。 今日は武のバラがよい。本展いちばん。
山辰雄《月光新緑(三日の月)》1950年以降32.5 × 54.8p ちぎり絵のような輪郭の緑。さまざまな緑の色。 月はおまけみたい。 ところでこの絵の素材・技法。 会場でいただいた作品リストでは「麻、着色」、サイトの作品リストでは「紙本着色」。 どっち? 絵をもっとよく見たらわかったのかなあ。
横山 操《暁富士》1965 年82.8 × 150.0p 紙本着色 ひかれたが、展示スペースが詰まりぎみなうえ人が多く、下がってじっくり見られなかった。残念。
川合玉堂《鵜飼》1950年代 42.7 × 57.3p 紙本着色 玉堂の鵜飼は昨年藝大のパンドラで見た。 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!(東京藝術大学大学美術館) の目撃談 この絵は下絵っぽいというか本画ではない感じだが、 それだけに、かがり火や、鵜が放り投げらたらしき魚などが軽やかで、魅力的。
「秋」 葉っぱがよい。 川端龍子《好秋図》制作年不詳 43.5 × 56.7p 絹本着色 杉山 寧《柿図》1940年頃 45.2 × 62.5p 紙本着色 実より葉。
幹もよい。 竹内栖鳳《錦秋》1937-1938 年 67.5 × 73.5 p紙本着色 秋のいろいろが描かれていたが、幹の粗さや乾いた感じがよい。
女性像は部分にひかれた。 橋本明治《舞妓》制作年不詳 53.5 × 65.0p 紙本着色 指。顔や衣装は良くも悪くもデザインの一部をなしているという印象で、作りもの感がある。 指だけは人間を感じる。
伊藤小坡《紅葉狩》制作年不詳 61.0 × 70.7p 絹本着色 くちびる。 この人の春《醍醐の花》もやはり唇に目が行った。どちらかというと秋がいい。
堂本印象《朝陽》1928 年 各144.5 × 56.5p 絹本着色 これは女性ではないが、右幅の猫の耳。特に親猫。顔料が立体的になっている。
ちらっと眼に入ってもわかる熊谷守一。紅葉かどうかは問題ではない。 本展の絵は輪郭が赤くはなかったが、それでもしっかり守一。
「冬」 中村正義《雪景色》1960年頃 44.7 × 64.2 紙本着色 樹が写生ではないところがよい。 うそくさくはなく、何かを訴えてくる。
福田平八郎《蜜柑》制作年不詳 29.8 × 22.8 紙本着色 これも秋と同じく、実より葉。
石本 正《鴛鴦》制作年不詳 44.8 × 64.8 紙本着色 オシドリの存在感。翼。 下は板張りの床に見える。全体の色がよい。
杉山 寧《翯》1978-1982年頃 53.5 × 40.5 麻、着色 水に映る白鳥。水面のほうを見てしまう。 はっきり見えない方が、よく見ようと思わせるのか。見ても見えないのに。
川端龍子《五羽鶴》制作年不詳 65.8 × 85.5 絹本着色 鶴の中ではこれがよかった。
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本展の図録やポストカードはないもよう。 武のバラが欲しかったな。バラというか、赤。
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混雑状況報告。
会期が短いせいなのか、けっこう人口密度が高かったです。 といっても、チケット購入や入場の行列はなし。会場内も行列はなし。 作品の独占は作品とタイミングによっては可能。でも数秒。10秒は無理。
2018/4/12(木)訪問 |
パナソニック創業100周年特別記念展 日本の四季 ―近代絵画の巨匠たち― 開催期間:2018年4月2日(月) 〜4月15日(日)
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帰りにちょっとお花見できました
パナソニックのビルをバックに
八重桜
バラはまだかな