特別展 神奈川県博開館51周年記念 つなぐ、神奈川県博 ―Collection to Connection―
および 常設展
の
目撃談 (2018の14)
神奈川県博
「エースのドーム」
ネオ・バロック様式。コリント式。だそうです。
色の配分はトーハクの表慶館に似ている。
ライオンの代わりに「パンチの守」
まずは特別展。撮影不可。 展示室に入る前から、埴輪が見えてる!
スポットライトを浴びる家形埴輪。蓼原古墳出土。 高さ50〜60cmくらい。寄棟造り。 その屋根の上半分には縦横に突帯が巻かれている。 帽子をかぶった園児といった雰囲気。 突帯が交差する部分には、平玉形の粘土粒がつけられている。 めずらしい。平玉粘土粒は武具ではよく見るが、家形埴輪についているのは初めて見た。
入口は平側中央を大きめに切り取っている。 上はアーチというほどではないが左右が隅丸。
トップを飾る展示品が埴輪でうれしい限り。
埴輪はもう一体。 女子埴輪。表記は「人物埴輪」となっていた。蓼原古墳出土。 板状の髷、勾玉の首飾り、突起状の胸。鼻の孔なし。 耳の孔もないが、平べったい輪っかの飾りが二つ、縦に並ぶ。上は耳で下は耳輪? 顔は赤く塗られているように見えたが、修復部分の色か? かがんで斜め下からのぞく。ほほえみ。
さて問題の腕。左腕を下、右腕を前に出す。指の先は欠けている。 解説では、右手に槍を持っている可能性がある、とあった。 槍? 槍を持った埴輪は、男女問わず見たことがない。 時代がずっと下る明治天皇の陵墓に埋められた武装埴輪は、槍を持っていたようだが。 たしかに、古墳時代の埴輪でも、大刀や弓を持つ女子埴輪はある。 棒状のもの、ということであれば、柄杓のようなものや、謎の棒2本を持つ女子埴輪がある。 しかし女子が手に持つものでいちばん多いのは、器でしょう。 槍説はどこから来たんだろう。 「右手に器などを捧げていた可能性がある」とでもしたほうが妥当と思う。
埴輪以外。
歌川広重の浮世絵、東海道五十三次。 「蒲原 夜之雪」と「庄野 白雨」、それぞれ刷りの違う二枚が並ぶ。 刷りが違うとこんなに印象が違うのかと驚く。 特に雨の降り方。
縄文時代の顔面把手。 大きい。大きな甕にでもついていたか。 これは中空で目と口は孔だが、埴輪との顔つきの違いよ。 つった目は、目頭が丸く目じりが細い。流星形とでも言うべきか。 それより豚鼻が目立つ。横長の頭とあいまって愛嬌を感じる。
弥生時代の人面付土器の人面部分。 中空かどうかわからないが、目と口は孔ではない。浅い溝。 穏やかというか、表情の余り出ていない顔。
薬師如来坐像。尊栄作。 目がひらいた、と思ったら展示ケースに反射した自分の目でした。 頭部の正面から右にかけて、少し欠けている。
鶴岡八幡宮の沃懸地杏葉螺鈿平胡籙(ヤナグイ)。 コロクとは読まないのね。平成3年の作。螺鈿がきれい。
青楼名君自筆集 北尾政演 のうち 瀬川 松人 正面顔がおもしろい。美人には見えない。鼻が強調されるせいか。
松平造酒助(まつだいらみきのすけ)江戸在勤日記 絵がうまくておどろく。特に構図。 人物は、あごがややとがっているのが特徴か。 これは記録の面でも魅力の面でも、保管・展示する価値があるものだ。
ほか 資料を収めた大小の木製コンテナ。大きさから作業現場を想像する。 地図。 神奈川県博のキャラクター「パンチの守」登場、ジャパン・パンチ。 神奈川県博の建物は、もと旧横浜正金銀行の本店ということで、大判小判。
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コレクション展なのだから、撮影可にしたらいいと思う。 なぜ不可なのだろうか。図録があるから?
コレクションを活かす方法としては、 見学者が自由に撮影することでその存在と魅力を広めるのと同時に、 歴史資料的な撮り方とは違う方法でプロが撮り下ろした写真を利用するのもいいと思う。 照明や背景を変えるとか、ケースから出すとか、一般客ではできないから。
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常設展。こちらは撮影可、条件付き。
埴輪は4体。
馬形埴輪 向ヶ崎古墳出土。 手前の円筒埴輪2体も向ヶ崎古墳出土。 奥の1体は蓼原古墳出土。
平面的な鼻づらに鼻の穴。
頭は板を曲げて作ったらしい。 あごはつながれている。 馬鐸は角ばっている。
ごろごろついている馬鈴は大きめ多め。 お尻の孔あり。
古墳の模型あり。 円墳。 ミニチュアの埴輪が配されている。 家、馬、女子など、埴輪のモデルは蓼原古墳出土のものらしいが、 蓼原古墳は帆立貝形墳なので、蓼原古墳を模したわけではなさそう。
それにしても 女子なのに袴をはいているように見える。
埴輪以外。
家形土器、子ノ神遺跡出土。の写真の写真。 家形埴輪との関連が噂されているが 円錐に乗っているところが大きく違う。
家つながりで 竪穴住居の模型。 入母屋造り。 外から見ると壁がない。 「伏屋建物」というのはこれ?
縄文の深鉢で輪積み実演解説。
鳴鏑(なりかぶら)。
ベンガラを溶いた貝殻のパレット。
小林清親の浮世絵あり。 奥行きのある展示ケースに飾られていた。 もっと近くで見たい。
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混雑状況報告。
空いています。 ひと部屋に3〜4人か。たまに部屋ごと独占。
2018/5/11(金)訪問 |
◎特別展 神奈川県博開館51周年記念 つなぐ、神奈川県博 ―Collection to Connection― 開催期間:2018年(平成30年)4月28日(土)〜 7月1日(日) 前期:4月28日(土)〜5月27日(日) 後期:5月29日(火)〜7月1日(日)
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