開館90周年記念 企画展 日本文化の淵源を求めて ―考古学陳列室から國學院大學博物館まで―
於・國學院大學博物館
および 常設展
の
目撃談 (2018の26)
企画展
ポスターの中に埴輪多数 右の写真がすてきで見てしまうが 実物が会場の中、左に見えます。
本展出演埴輪はこちらの二体。
まずは何度かお会いしている武装埴輪。 埼玉県熊谷市 野原古墳出土 野原古墳はあの「踊る人々」が出たところ。 不安定な笑顔。武装しているのに危なっかしい。 ハイネックのよろい。
頬当てに隠れた横顔。丸い鼻。
樋口清之が背負って國學院大學まで運び入れたらしい。 樋口清之とは? 國學院大學で学生時代に考古学陳列室をつくったひと。 通称・うめぼし博士。 著書多数。何冊か読んでいると思う。 『原始日本の再発見 3 古墳とはにわ』とか。 『逆・日本史』とか。 この『考古学こぼれ話』は表紙初見だと思うのでたぶん読んでいない。 欲しいが古くて入手困難かな。
武装埴輪に戻る。 籠手をつけて大刀を構える。
大刀は頭椎大刀(かぶつちのたち)
さて 初お目見え 千葉県出土 芝山あたりの埴輪と似ている。姫塚古墳とか人形塚古墳出土の髭埴輪。 七分袖。
推定身長180p近く。 といっても、器台を失っているそうだ。 それじゃ高さなんて復元次第でどうにでもなってしまう。 そういえばポスターでは器台がない。 とはいえ、大型には違いない。
細い目と口。 鼻は低め。 顔とミズラに赤い彩色。 三角の髭と被り物とが呼応している。
大刀はなんだろう。円頭大刀?
クツは平べったい。
被り物のつばと前立て部分も。 髭も。
あおってみる。
ほか、環頭大刀の柄頭のスケッチなどもありました。 |
本企画展の図録、ありましたが、埴輪中心というわけではない。 新顔の写真はあります。
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常設展の埴輪コーナー。 前回からずっと気になっている家。
側面であかんべ。 これが一階なら、開閉する扉がついたところは二階の窓か。 埴輪を見て作った埴輪かもしれないが。 かどが丸くて、埴輪時代のだいぶ後期のものだ。
となりのこちらは 奈良県磯城郡三宅町 赤丸窯址 家形埴輪の初期のものだろう。 直線的で、板づくり感が強い。 ウインクしかけているみたいな家。
サシバ形埴輪 群馬県前橋市大胡町出土 この形、トーハクにもあるタイプだが、サシバかどうかがひっかかる。 下のほうの不思議な形状は何だろう。双脚輪状紋と関係あるかどうか。
長野県長野市田向岡古墳出土 大刀形埴輪 いちばん上についているのは三輪玉か。
上からみると、水平な板部分に孔があけられている。
馬形埴輪。 一文字の口。
鹿形埴輪 口元欠損。一文字だったかな。
出張者が多いのか、すき気味のケース。
群馬県前橋市高粕川町出土 ユギ形埴輪 やじりが隠れるあたり、粘土粒の左右に、斜め切りにしたネギみたいなものがついている。 紐? 飾り?
後ろ、思わぬところに孔。
武装する埴輪がここにも。
その大刀はまるで巻物。 もはや何型の大刀とかいう問題ではない。
彼の後ろ姿。 首の真後ろは粘土粒が縦に二つ。 首飾りが後ろに垂れている? ところで、武装しているのに首飾りをつけるの? 当時はあたりまえだったのか。
貼り付けづくりの輪郭に、あご紐がぴったり巻かれている。 ヘルメット?
彼が腰に佩いているのは、柄近くが曲線だから大刀ではなさそう。 刀子? 鎌?
朝顔形円筒埴輪三態。
最上突帯から上端までの幅がひろい。 開き方は、朝顔形にしては抑えめ。 首もあいまい。
こちらは、全体にやや細めながら スタンダードなプロポーションと言えましょう。
しかしつくりは粗い。 内壁は輪積みの紐のあとが見えます。 孔の向こうには円筒埴輪が見えます。
どっしりタイプ。 なにより色です。須恵質の埴輪かな。
ちょっと戻ります。 群馬HANI-1グランプリにエントリーした埴輪がここに。
群馬県太田市鳥之郷町出土 なぜか「人物埴輪(男性)」ではなく「人物埴輪(その他)」に分類されている。 売りは被り物。 大刀は円頭大刀かな。 上位10体に入ると、動画になるらしい。 サイトで見られる写真は限られていますが 足を運んで本物を見に来ると、いろんな角度から見ることができます。
例えば 後ろ頭は絶壁。
ではまた。 |
混雑状況報告。
空いています。 企画展示室はひとりふたり。 常設はほぼひとり占め。
2018/7/20(金)訪問 |
◎開館90周年記念 企画展 日本文化の淵源を求めて ―考古学陳列室から國學院大學博物館まで― 於・國學院大學博物館 開催期間: 2018年7月14日(土)〜9月9日(日)
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