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さいたま市最新出土品展2018

および

常設展

於・さいたま市立博物館

目撃談 (201828)

 

  

企画展。展示室は1階。

 

入ったとたん、埴輪が目に飛び込んでくる。

本牧遺跡の円墳出土の埴輪たち。

解説には「人物埴輪が4体出土」とあったが、人物埴輪は5体ならんでいた。

ほぼ全体が残っていた3体、上半身だけの1体、頭部と腕だけの1体。

身長1mたらずか。小柄な埴輪と言えましょう。

バランスがおもしろい。胴に対して頭が小さい。

その頭に対して、さらに顔が小さい。あごの位置が高すぎる。輪郭が内側すぎる。

その輪郭の中で目が寄りぎみ。

 

残りの良い1体のうち、下げミズラ、左腰に楔(くさび)形大刀をはいた、男子埴輪。

やや上に伸ばした右腕。指が長い。細くて長い。

小指はないが、他4本、よく残っていてくれた。この細長さ、本展でいちばん印象に残った。

耳孔あり。鼻、目の上、首が赤い。

かぶりものは丸く膨らみ、肩の張った壺のようなかたち。頂部はぽっかりあいている。

額にハチマキを結んだ端部らしきものあり。全体的に赤彩あり。赤い水玉もようか。

大刀は赤い縞。帯も赤い色で示す。

 

上半身だけの1体は、下げミズラ、右肩に楔形大刀をかついだ、男子埴輪。

顔に赤の水玉もようはめずらしい。

やはり壺のようなかぶりもの。これにも赤の水玉もよう。

耳孔なし。

 

頭部と腕だけの1体は、ミズラなし、壺のようなかぶりものあり。おそらく男子埴輪。

顔は輪郭・目の下・鼻など、線状に赤い。

耳孔なし。

 

残りの良い1体のうち、バチ形の髷の女子埴輪。

両腕をあげ、肩より後ろに反らす。

帯は立体的で、ゆるく右前で重ねられ、赤く塗られている。

その右下は、帯の一部か、刀子か。

耳孔あり。耳飾りや首飾りは見当たらず。

乳房表現なし。

 

残りの良い1体のうち、性別不明なもの。

バチ形の髷を結っているが、耳孔の下から細い紐が2本のびている。ミズラ? 耳飾り?

たまにこういう両性具有的埴輪がいる。埴輪がモデルの埴輪なのか。

乳房表現なし。

右手で小さな壺を捧げているので、女子の可能性高し。

首飾りにはひょろっとした勾玉が上向きにつく。腰のあたりに帯かと思われるものあり。

 

馬形埴輪1体。

あごにクッションつきの杖を当ててもらっている。

顔はほっそり、体はふっくら。

縦長のまるい目、まるい鼻の孔。口は開放型。

たてがみは頂部で釘のようにまとめられている。前向きなのが珍しい。

蹄の表現なし。しっぽの先に孔。

腰の上にも孔。孔から広がる紐状のものは、雲珠(うず)を表したのか、尻繋(しりがい)なのか。

赤彩され、花びらみたい。ところどころに鈴。

面繋・胸繋にも鈴がたくさん。

耳のまわりにあんなに鈴があったら、うるさいんじゃないだろうか。

 

円筒埴輪4体。同じくらいの大きさ。

すべて二条突帯三段構成、中段に円形の透孔。

最上段に、×印の線刻。

突帯の高さが少しずつ違う。

 

 

どの埴輪もハケ目が目立った。

 

 

埴輪以外は記憶にない。

脳が埴輪以外を切り捨てる。

 

 

 

A3二つ折りのパンフレット有り。無料。

埴輪の写真も載っています。

 

 

常設展。展示室は地下1階。

 

 

側ヶ谷戸11号墳出土の人物埴輪2体。男女1体ずつ。

ともに耳の孔あり。その下に耳環あり。脇の下にも孔あり。

離れ気味で大きめの目、杏仁形。口も同じような形。鼻の孔あり。

 

左手の表現が男女でよく似ているのがおもしろい。

親指をやや立てる。ほかの指の表現はなく、ヘラ状。

腕を前に出し、手首から内側にゆるく曲げる。何かを引き寄せるようなしぐさ。

 

男子埴輪。この中ではいちばん大きい。女子より頭一つ分大きい。

上げミズラ。背面に垂れ髪。

頭巾様のかぶりものが後ろに反る。

太めの帯、上衣の裾も同じような表現。

右手は欠けているが、下に下ろしているか。

 

女子埴輪。

バチ形の髷。棒状の竪櫛あり。髷の上で髪を束ねた紐らしきものが跳ねる。

胸に突起状の乳房表現あり。首飾りは紐に球状の玉をつける。

帯を前で縛り垂らす。

右手は欠けている。おそらく前に出す。

 

東宮下出土の人物埴輪2体。顔のあるものとないもの。

 

顔のあるほう、細い垂れ目で笑いかける。鼻の孔あり。耳の孔なし。

顔側面に剥離痕らしきものあり。ミズラなら男子。

頭は開放型。ハチマキらしきものあり。

帯を前で縛り垂らす。

右手で誰かを呼ぶようなしぐさ。手首なし。手が大きい。指あり。

左手は下げる。指先が欠けている。

胸に謎の線刻。円のなかに、揺れる鋸歯文?

 

顔のないほうは腕もない。

胴はある。帯を前で縛り垂らす。

線刻は、胸に弓矢、、腰に謎の直線画。

図録『第32回特別展 さいたまの古墳』2008(さいたま市立博物館)では

『「わな」か「しかけ」のようなもの』とある。

腰の後ろのほうには鹿が描かれているらしい。今日は見えなかった。

 

稲荷塚古墳出土の人物埴輪頭部1体と円筒埴輪1体。

ほかの埴輪と比べ、白っぽい。

 

人物埴輪の目と口は貯金箱の孔のように細い。

顔側面に剥離痕らしきものあり。ミズラなら男子。

 

円筒埴輪は二条突帯三段構成、中段に円形の透孔。

 

側ヶ谷戸11号墳出土の馬形埴輪1体。

轡(くつわ)の鏡板は六日目か七日目くらいの月の形。f字形の変形版かな。

鋲いっぱい。

頂部のたてがみが釘ふうなのはいいとして、腰の上にも釘のようなものがある。

 

 

 

 

撮影。

許可を願い出て、許可証を借りたうえでならOK。

個人利用OK。

 

ただしネットへのアップは禁止。なぜなのか。

 

  

 

混雑状況報告。

 

すいています。

 

 2018/9/21(金)訪問 

   

 

さいたま市最新出土品展2018

会場および開催期間

さいたま市立博物館2018 911日(火)〜924日(月)

七里コミュニティーセンター:102日(火)〜1030日(火)

コクーンシティ21110日(土)〜1122日(木)

 

     

    

  

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