玉 −古代を彩る至宝−

於・江戸東京博物館

目撃談 (201836)

 

 

 

玉と書いてTAMAと読む。

もう見えている埴輪。

 

人の顔ほど人の目を引くものはない。

 

 

埼玉県の酒巻14号墳出土の男子埴輪。

再会。企画展 相撲 および 常設展(行田市郷土博物館) の目撃談

 

本展では主役扱い。

緑バックに映える赤褐色。

 

もちろん玉をつけている。

 

丸玉の首飾り。

 

しかし彼の場合、ほかに注目どころがありすぎる。

 

まず、ほかではまず見られないのは

長くて手が出ない袖。

 

つくりは、前腕と二の腕とでちがうか?

前腕は半円筒。

二の腕は中実の棒っぽい。

 

かぶりものは

 

三角前立て。これはそれほど珍しくはないが。

耳環はないのか、欠損か。

 

 靴先。

 

ここまで反るか。

 

 

埴輪以外も見る。

 

鳥取県の松原1号墳

玉の出土状況のレプリカ。

玉をつなぐ紐は土にかえってしまうが、

出土状況がわかれば玉がつながれていた順番がわかる。

 

よみがえる

 

弥生時代の首飾り。

 

 

福井県の太田山遺跡2号方形周溝墓

 

1つだけ赤い。石鉄英という石らしい。

しぶい。

 

 

島根県

 

出雲産メノウ製勾玉。

左:加熱前、右:加熱後

復元による色の違いの展示。

 

メノウを加熱処理するとは、知らなかった。

加熱されると赤橙色になる。

それが加熱する理由。

 

 

岡山県の楯築墓

 施帯文石・玉類・人形土製品。

玉以外のほうが目を引く。

 

 施帯文石は、トーハクの複製でなじみがある。

これは岡山県立博物館の複製。

 

人形土製品。

板状。左手を胸にあてている。

その指先にあるのが

 

勾玉かな?

首から下がる紐の線刻は確認できる。

 

大事なものは肌身離さず。

 

 

亀山第1号墳

 

平べったい勾玉をたくさんつなぐ。

重み。

 

佐賀県の花納丸古墳

 

乳文鏡・三環鈴・管玉・砥石。

 

 

その図。天保11年(1840年)に古墳が破壊された時の記録。

側面図もある。

管玉の側面図はないが。

 

 

和歌山県の大谷古墳

 

管玉・勾玉・棗(なつめ)玉。

なにがすごいって保管・展示用のこの板。

玉の形に合わせて彫ってある。

 

文化庁所蔵の重要文化財ともなると扱いがすごい。

 

 

掘る彫る文化庁。

 

そのとなりに

 

埴輪のタピスリー。のれん。

 

女子埴輪は4体。

左から、三重県の常光坊谷4号墳出土の女子埴輪2体、

埼玉県の猪俣南2号墳出土の女子埴輪、

埼玉県のせきね古墳出土の女子埴輪。

 

 

髷の長いこと。

首飾りの玉は、解説では丸玉ということになっているが、平玉に見える。

粘土だからつぶれたぶんを加味して、丸玉かな。

 

  斜め掛けの布は、片側が輪になっている。この埴輪は右側が輪。

意須衣と呼ばれたりする。

 

見上げる。

 

何かを手に持って。

 

 

 もう1体。

首飾りの玉はやはり平玉っぽい丸玉。

 意須衣は左側が輪。

 

 頭がないのは残念。

壺のよう。

手に持っていたのも壺なのか。

 

こちらは頭に壺。

 

猪俣南2号墳の女子。

 

壺を乗せるためか、頭に粘土紐が一本巻かれている。

 

首飾りは丸玉で一連。

 左右4つずつの耳玉も丸玉。どうやって耳につけるのか。

 

 髷は後頭部に頭に沿うようについている。

 

右手で壺を支えているのでしょうが

 

壺がなかったら、頭に手を当てて考え込んでいるふう。

 

 

せきね古墳の女子。

 

つぶれ丸玉の首飾りは、真ん中の玉が大きい。

両手首に、二連の丸玉ブレスレット。

 

耳たぶ上端は外側に突き出している。

 

ばち形の髷。

耳玉は、耳環を留めているかのよう。

ちなみに耳環はマストアイテム。

 

困った感じの顔なのは

割れが目立つせいか。

 

 

埴輪は玉の実装状態を教えてくれる。

 

人物埴輪の玉のつけ方から推して、

二連の首飾りなど、副葬品の玉類が豪華なら、被葬者は女性の可能性が高いとのこと。

 

しかし

なぜ勾玉をつけた埴輪を展示しないのか。出土しているのに。

 

ところで

玉を身に着けるのは基本的に人だけ。

 

動物は馬形埴輪や犬形埴輪が鈴をつけていることがある。

馬鐸も鈴の一種?

ともかく、鈴は玉とは別ものなので本展では取り上げられていない。

鈴の研究もどこかで進んでいるか。

 

 

奈良県の藤ノ木古墳

玉すだれ状ガラス製品の復元品。

えらく派手で大きい。

かぶりものか、玉枕ではないかとのこと。

 

伝鳥取県湯梨浜町

子持勾玉

 ダブル。

装飾が過剰で、縄紋土器の要素を感じる。

イノシシっぽい。

端部は平面に作られている?

だとすると立つから置いておけるけど、

孔があけられているから、どこかに下げたのか。

 

 

 

平成26年度、14県が集まり、古代歴史文化協議会を設立。

本展は、その協議会の共同調査研究「古墳時代の玉類」の、いわば発表会。

 

福岡県には巡回する予定。

14県すべてで展示してはどうか、というのはとっくに検討済みなのでしょう。

容易でないのは、なんとなくわかる。

 

埴輪を運ぶのが一番大変だろう。展示スペースも一番とるし。

でも人の顔ほど注目を集められるものはない。

 

 

図録ではないが、玉の研究結果をまとめた本あり。

 

232ページ、オールカラー。本体1800円。

 

入手。

写真が充実。玉類はきれいで撮りがいがあるからか、いい写真が多い。

玉類の形と素材など、文章の情報量はサイトが優勢だが、本は写真つきでわかりやすい。

三輪玉についての記載あり。

藤ノ木古墳出土の装飾付き大刀の復元物の柄頭の写真あり。

 

埴輪の写真は人物7体分。

展示されていた埴輪については、常光坊谷4号墳出土の女子埴輪1体のみ掲載。

ほか、勾玉をつけた埴輪、竹菅紋による2連の首飾りをつけた埴輪など。

 

平玉は側面に孔があけられる。知らなかった。

熟読予定。

 

  

 

混雑状況報告。

 

博物館全体がほどほどの混みぐあい。

展示室内は、列島展の時にくらべると少しすいていた。

 

校外学習の小学生に遭遇。ややにぎやか。

もっとも、すぐ走り去るので見づらいほどではない。

移動しつつ見たり撮ったり。

 

 

 2018/11/02(金)訪問 

   

 

 ―古代を彩る至宝―

会場および開催期間

東京都 江戸東京博物館 20181023日(火)〜129日(日)

福岡県 九州国立博物館201911日(火・祝)〜 224日(日)

 

     

    

  

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