ギュスターヴ・モロー展
―サロメと宿命の女たち―
の
目撃談 (2019の09)
ギュスターヴ・モロー(1826‐1898)。 「パリの真ん中に閉じこもった神秘家」と呼ばれていたらしい。 モロー本人は「夢を集める職人」を名乗っていたらしい。
《踊るサロメ》32 × 25p 粗くて下絵らしいが、連なる高いアーチがよい。
《サロメ》65 × 55 顔など見えないがサロメ。
《出現》142 × 103 ca. 1876 背景の線画がよい。最晩年に描き加えたそうだ。高まる装飾性。 手前の油絵の具の塊感も、これはこれでよい。 2人のモローが共演する。 サロメは白い花を持つ。
《ヘロデ王の前で踊るサロメ(全体のコンポジション)》 22.1 × 14.8 黒チョーク/紙
《ヘロデ王の前で踊るサロメ(額のある全体のコンポジション)》15.9 × 12.1 黒鉛/紙 額込みの下絵がよい。 全体を見て装飾的効果を考えていたことがよくわかる。 その額の太さよ。
《出現(《出現》に関わる習作)》18.4 × 12.1 ペン、褐色インク/紙 ペン画もよい。
《サロメ》21 × 11 小さな画面の赤いサロメ。
《サロメのための油彩下絵》47 × 33 ca. 1880-90 赤い布でしかないサロメ。 サロメの出現。
《サロメ》 180 × 90 白いサロメ。白い花を持つサロメ。
《サロメ》 40 × 32.6 赤い花を持つサロメの横顔。
作品ごとに、別人のサロメ。 モローのなかには多面体のサロメがいる。
サロメ以外の女たち。 《トロイアの城壁に立つヘレネ》 63 × 30 夕焼けの中、赤い花を持つヘレネ。顔はない。
《ヘレネ》 30 × 23 白いヘレネ。こちらも顔はない。
《デリラ》 80 × 65 油彩/カンヴァス 顔がよく見えない。魅力ははっきりある。 肉体的存在。それを際立たせる布。
《ヘラクレスとオンファレ》104.5 × 65 1856-57 布を張った額。ビロードのような布。 もう額にしか目が行かない。
《セイレーンと詩人》158 × 115 セイレーンの足元でうずくまる詩人。 しかしそれよりも、モローが描いた幅広の縁取り。ピンクと水色。 絵のなかにもピンクと水色。と白。 額は細い。
《セイレーン》 38 × 62 赤と青と、三日月? 夕焼けのなかの三日月か。 もうひとつの《セイレーン》も夕焼け。
《ガラテイア》46.6 × 37 白い花のガラテイア。
《デイアネイラの誘拐》 172 × 138 ca. 1872 描きかけなのか。それでも美しい。水墨画みたい。
映像「ギュスターヴ・モロー美術館」が流れている。 蝶や虫の標本がある。
ルオー・ギャラリー。 モローの肖像画とルオーの自画像が並ぶ。 「色彩」「美しいマチエール」それがモローの教え。
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図録はありましたが見ず。 |
混雑状況報告。
そこそこ盛況。 行列はなし。 独占も、《出現》と小さいもの以外は可能です。 小さいものも、人が少なめの時に思い切って近づいて5秒くらい見てました。 むしろ角に展示してある作品に近づきにくい。
2019/6/4(火)訪問 |
◎ギュスターヴ・モロー展 ―サロメと宿命の女たち― 開催期間:2019年4月6日(土)〜6月23日(日)
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