開館40周年記念・第99回企画展示
集まれ!ぐんまのはにわたち
〜日本一の埴輪県〜
の
目撃談 (2019の012のA:人物埴輪)
B:動物埴輪
本展の目玉の一つ 男子埴輪(伝・群馬県)
現住所である奈良国立博物館からはるばるやってきた。 この埴輪だけ8/6から展示。 待ったかいがあった。
上衣の合わせがほぼ真っ直ぐというのは珍しい。 鋸歯紋がちりばめられた衣装もさることながら なにより脚結の鈴。 こんなにもたくさんつけているのは初めて見た。
大刀の紋様はなんだろう。
これ以外の埴輪はおそらく、ほとんど再会。
男子埴輪(高塚古墳)
たぶん10年前にお会いした。
この袴の紋様、何と呼べばいいのか。
つぎは昨年歴博でお会いした埴輪。 男子埴輪(伝・伊勢崎市安堀町)
相変わらず冑を深くかぶっている。 こちらの袴は鋸歯紋。赤白塗り分け。
男子埴輪・女子埴輪(神田・三本木K-10号墳)
1年ぶりの乾杯。 カーディガンの子は今回来ていない。
2018年開催の「HANI-1グランプリ」第1位に輝いた 人物埴輪「笑う埴輪」 手足のないことなどなんのその。 人物埴輪は顔、表情です。
女子埴輪(保渡田八幡塚古墳)
笑顔で何かを差し出してくれている。 現代人には見えないものを。
力士埴輪(芝宮79号墳)
でべそ。この埴輪は初めて見た、と思う。 頭部が欠けているのが残念。
男子埴輪(芝宮79号墳)
同じ遺跡出土の力士と顔が違う。 下総型だ。 群馬では珍しいのでは。
女子埴輪(伊勢山遺跡4号墳)
いい顔だ。チラシや図録の表紙メンバーに選ばれるのもわかる。 HANI-1Gには未エントリー。 群馬にはいい埴輪が多すぎるのね。 髷のリボンが左右に離れている。 頸飾りの玉は小さく多い。
女子埴輪(坂下(町)古墳群)
「双耳杯」なるものを捧げ持つ。 なにが乗せられていたのか。 やはり見えない。
女子埴輪(赤堀村104号墳)
1932、1934、1936年に発掘された埴輪の一部(東京国立博物館所蔵)と、 2015年に発掘された埴輪の一部(伊勢崎市所蔵)とが、一致した。 本展に展示されているのは、トーハクのレプリカと伊勢崎の出土埴輪を接合したもの。 発掘は80年の時などかるがる超え、1500年前にさかのぼる。
女子埴輪(塚廻り3号墳)
勾玉を使った豪華な頸飾り。 タスキ、手玉、足玉、鈴鏡。 耳環は、他の多くの埴輪と違い頭部に貼りつけていない。 空間を立体的に使っている。 もうひとつ気になったのは、帯が太いこと。 女子にはあまりない。
それから椅子。 埴輪時代の木製の椅子には、足置きはない。脚がつく高さ。 足置きとみえるのは、地面か? 埴輪は高さが重要だから、人物を高く掲げたのか。 脚部は少し埋めしろが要るし。
男子埴輪(塚廻り4号墳)
ひざまずく。
これは椅子の上でひざまずいているわけではなく、 台座部分が地面の高さということか?
髪の線刻など、繊細。 ついた手の指、台座からはみ出ている。
手だけでなく、足首やつま先がしっかり表現されている。
女子埴輪(塚廻り4号墳)
かぶつちの大刀を持つ。 こちらもタスキの蝶結びなど、よくこの薄さで作ったなあと思う。 耳環は3号墳の女子と同じく立体的だが、小さめ。 実際の大きさはこのくらいか。
白っぽい3体。(世良田諏訪下30号墳) 図録ではなぜかあまり白くないが、展示室では目立って白かった。
彼らが立てられていた円墳は、洪水で埋まったらしい。 おかげで配置がわかる。テラスにいたらしい。
琴は五絃。
鋸歯の冠は、いかにも王冠。 ほほ笑みは王者の余裕か。 頭は孔があいている。 乾燥と焼成時の通気のために、わざと閉じ切らなかったか。
盾持ち人埴輪(保渡田八幡塚古墳)
ゆがんだ口元。
鋸歯紋。赤彩。
もう一人の盾持ち人埴輪(山名原口U遺跡1号墳)には歯がある。 なぜか撮影不可。 2017年に撮影可だった時の目撃談は以下。 東国千年の都 10周年記念展示 いまなおひかり放ちて(高崎シティギャラリー)の目撃談
女子埴輪(古海松塚11号墳)
盾持ち人埴輪と表情が似ている。偶然か。
髷があれば女子、なくても櫛があれば女子。 てっぺんの孔の周りが黒いということはきっと、 ついていた髷が取れてサンドウィッチ状態になった、 ということだろう。
女子埴輪(神保下條2号古墳)
瞑想しているかのような表情。 耳環の下に勾玉がついているのは珍しい。 彼女のいた墳墓の復元模型。 この通りだったとしたら、えらくにぎやかだ。 墳墓と埴輪の大きさの比も合っているのかな。
女子埴輪(淵ノ上古墳)
お別れのほほえみ。
長くなった。 まだまだ紹介したいが、このへんでひと区切り。
馬に乗った人物埴輪は動物埴輪に掲載。 猪を腰につけた埴輪、鷹を腕にとめる埴輪も。
『集まれ!ぐんまのはにわたち』の目撃談の A:人物埴輪(このページ) B:動物埴輪
|