日中文化交流協定締結40周年記念

特別展 三国志

於・東京国立博物館 平成館

出品目録

目撃談 (2019015)

 

  

 

魏、蜀、呉が鼎立したのは2世紀末〜3世紀らしい。

ということは埴輪時代より少し前から埴輪誕生ごろまでだ。

地理的には、埴輪地域ではないが、近いし、交流はあったはず。

三国志はほとんどわからないが、埴輪につながるものがあるかもしれない。

 

 

 

《貸客船》土製 後漢〜三国時代(呉)・3世紀 2010年、広西チワン族自治区貴港市梁君14号墓出土)

 

人がおおぜい乗っている。

埴輪にも船があるが、人が乗っているものはまれ。

 

樽みたいなものと、その後ろの仕切りのようなものの形が気になる。

 

 

 

《儀仗俑》後漢時代・23世(1969年、甘粛省武威市雷台墓出土)

 

 

 

丸屋根というか丸傘というか、がついた、宮車的な形の車。

 丸傘はキヌガサと同じような作りかな。

 

戟を持つ人たち。

 

馬のしっぽは風に舞う。

馬形埴輪のしっぽは紐に巻かれて上を向く。

 

 

《酒樽(しゅそん)》青銅製、鍍金銀ほか 後漢時代・23世紀(1969年、甘粛省武威市雷台墓出土)

 

内側に鋸歯紋。

 

 

《鏡台》後漢時代・2世紀(2004年、河北省涿州市凌雲闊丹工地1号墓出土)

 

時計台みたい。

墓に納めるために作った土製品。

鏡を高く掲げるのは、お墓の中だからなのか、実際にこういった鏡台があったのか。

 

 

 

《五層穀倉楼》後漢時代・2世紀(1973年、河南省焦作市山陽区馬作出土)

 

三階以上は物見やぐらだそう。

 

てっぺんに鳥がとまる。なんの鳥だろう。

 鶏ではない。

 

後姿。お尻に孔。

鳥形埴輪にもある。通気口。

シルエットの全体、ちょっと鳥形埴輪に似ていないこともない。

ただ、自然物がモデルなら似ていても不思議ではない。

 

 

《四層穀倉楼》後漢時代・2世紀(2009年、河南省焦作市馬村区王多白荘出土)

 

こちらも三階以上は物見やぐらとのこと。

 

やはり屋根に鳥。

片足を上げているのか。

足が長い。

 

楼の前には犬と鶏。

犬の埴輪はあるが、伏せた犬形埴輪はない。

 鶏の埴輪もあるが、鶏冠とか尾とか、ちょっと違う。

 

 

《戟》後漢時代・2世紀(1969年、河北省定州市中山穆王劉暢墓出土)

 

真っ直ぐ横に突き出す。

どうやって使うのか。

突き出しているぶん、攻撃力は高いのだろうか。

使いにくそうだが。

 

 

《戟》後漢〜三国時代(蜀)・23世紀(2007年、四川省綿陽市松林坡1号墓出土)

 

こちらは曲線を描いて突き出す。

 

戟は埴輪にもある。

盾持ち人埴輪の盾の前面にくっつけられていることがある。

単独の埴輪はない。

 

 

《鉤鑲》後漢〜三国時代(蜀)・3世紀(1998年、四川省綿陽市白虎嘴崖墓出土)

 

盾の一種で、裏に持ち手がついているとのこと。

これは埴輪では見たことがない。

 

 

《環頭大刀》三国時代(呉)・3世紀(1987年、湖北省鄂州市鄂鋼綜合原料廠1号墓出土)

 

環頭大刀に金で刻まれた銘。「四」らしき文字と、紋様が見える。

  

環頭大刀は日本列島でも出土している。

人物埴輪が佩いていることもある。

単独の大刀形埴輪には、環頭のものはない。

 

 

《武士俑》三国時代(呉)・3世紀(1999年、湖北省赤壁市蘆林畈1号墓出土)

 

腕のラインは埴輪に似ている。

顔は似ていない、目が透孔ではなく突き出している。

また白目と黒目が区別されている。

 

 

《蛇矛》石寨山文化期・前2世紀(1956年、雲南省昆明市石寨山3号墓出土)

 

蛇の舌を模した、二股の矛。

双脚輪状紋や彗星ふう埴輪と関連あるか? わからない。

三国志時代よりも、埴輪時代よりもずっと昔の青銅製品。

 

 

孟獲(もうかく)の人形

 

これも

双脚輪状紋や彗星ふう埴輪と関連あるか? わからない。

 

 

隣の諸葛亮の人形。

 

これは

サシバふう埴輪や太陽ふう埴輪と関係するか? わからない。

 

 

《炉》後漢〜三国時代(魏)・3世紀(2008年、遼寧省遼陽市苗圃16号墓出土)

 

この形は前方後円墳を思わせる。

が、凹凸が逆だし、関連はなさそう。

 

 

《奏琴俑》後漢〜三国時代(蜀)・23世紀(重慶市出土)

 

あぐらをかいた脚の上に琴を置き、指で絃を弾いている。

このタイプの帽子や袖は埴輪にない。

 

琴を弾くものなら人物埴輪にもある。

腰かけるものもあるが、あぐらをかいていることもある。絃は指もしくはバチで弾く。

 

 

 

《犬》土製 後漢〜三国時代(蜀)・23世紀(1957年、四川省成都市天迴山3号墓出土)

 

 

顔がごつい。

ちゃんとお座りしている。番犬か。巻いたシッポ。

頸のところで割れているけれど、もともと別に焼いて組み合わせるつくりなのか。

 

お座りをした犬形埴輪はない。

 

 

《鎮墓俑》後漢時代・1世紀(1999年、重慶市巫山県麦沱47号墓出土)

 

胸まで垂れる長い舌を出して威嚇しているらしい。

蛇を握っている。

とがった耳。帽子はどうなっているんだろう。

超能力で墓を守っているらしい。

 

口をゆがませている盾持ち人埴輪に通ずるものがあるか。

 

 

《俑》三国時代(呉)・3世紀(2001年、湖北省武漢市黄陂区蔡塘角1号墓出土)

 

「円錐の帽子をかぶるのは、専門的な技能で主人に仕える者」とのこと。

前に突き出るとがり帽子。埴輪にも似たものがある。

 

 

展示されなかったクツ。残念。見たかった。

人物埴輪が佩いているクツも先がとがる。

 

 

《高床倉庫》土製 後漢時代・13世紀(1999年、広西チワン族自治区合浦県凸鬼嶺8号墓出土)

 

切妻屋根。埴輪に一番似ているか。

ただ、サイズは埴輪より小さい。高さ30p弱か。

 

 

《罐(かん)》後漢〜三国時代(魏)・3世紀(200809年、河南省安陽市曹操高陵出土)

 

白磁の歴史を塗り替える出土品。

口近くに波紋様。

 

 

 

 

《水鳥、鶏、犬》土製 三国時代(魏)・3世紀(1951年、山東省聊城市東阿県曹植墓出土)

 

犬の尾が巻いていない。そういう種類か。

歯の表現がある。埴輪にも口をあけて歯を見せる犬形埴輪がある。

顔つきはキツネっぽい。犬形埴輪には似ていない。

水鳥は足が水鳥っぽい。まっすぐなくちばしも。

埴輪の鳥にシルエットが近いものがあるが、どちらも種類を特定できるほどの特徴がない。

 

 

 

 

六博盤という、すごろく的なゲーム盤があった。

埴輪時代の遺物にゲーム的なものは見当たらない。

でも何かしらの遊具はあったはず。

なにをしていたのかな。

 

 

人物の上着のあわせは右前だった。

人物埴輪のあわせはたいてい左前。

袖は広かったりふくらんでいたり。

人物埴輪の袖は、稀に広いものがあるが、たいてい細い。

 

 

さて

埴輪につながるものがあったか?

共通点が見られた。

作られた動物や武器などの種類。

脚の上の琴。

 

直接的な影響は?

あまり感じられない。

 

 

 

  

 

混雑状況報告。

 

チケット売り場の行列はほとんどなし。

会場前の行列なし。

会場に入ったのは17時過ぎ。なかなか盛況。

どの展示物も独占はむずかしい。

 

撮影は正面からは反射がある。

また人が多いので、島置きの展示物は後ろの人が入りがち。

どうしても取りたいものは、横・斜め・上からなど、工夫して撮る。

狙っておいて、隙を見て撮って下がる、のくり返し。

解説も、その場で読む時間と場所の余裕がないので撮る。

撮影可能はありがたいが、忙しい。

 

  2019/9/6(金)訪問 

   

 

◎日中文化交流協定締結40周年記念

特別展 三国志

 

於・東京国立博物館 平成館

開催期間:201979()916(月・祝)

 

於・九州国立博物館(太宰府天満宮横)3

開催期間:2019101()202015()

 

     

    

  

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