国立西洋美術館開館60周年記念

松方コレクション展

 

於・国立西洋美術館

目撃談 (2019018)

 

 

  

 松方幸次郎(1866(慶応元年121日)〜1950)が何を集め、その作品群がどうなったか。

 

 

アルフレッド・マニングス《ホップ摘みへの出発》1913 個人蔵、東京(国立西洋美術館に寄託)

白い光で縁どられている。陽光。出発。始まり。

 

ジョヴァンニ・セガンティーニ《花野に眠る少女》188485 岡本和子コレクション(国立西洋美術館に寄託)

ピンクの花と、白い蝶。

蝶は眠りにまとわりつく。

 

黒田清輝の《木かげ》(1898年)を思い出した。こちらは黄色い花と黄色い帽子。

生誕150 黒田清輝(東京国立博物館)の目撃談

 

 

クリストファー・リチャード・ネヴィンソン《あの呪われた森》1918 国立西洋美術館

ドライポイント。

重く、ざらつく感じ。

シンプルな構図の小さい画面だが目を引いた。

 

シャルル=フランソワ・ドービニー《ヴィレールヴィルの海岸、日没》1870 株式会社三井住友銀行

大型の絵。太陽はおだやか。画面から光が発しているよう。

 

オーギュスト・ロダン《接吻》188287頃(原型)ブロンズ 国立西洋美術館

去年、横浜美術館でこの大型を見た。ペンテリコン大理石製。

ヌード NUDE —英国テート・コレクションより および コレクション展(横浜美術館)の目撃談

そのとき彼女フランチェスカの右腕がどうなっているのかわからず気になっていた。

今日の《接吻》は、折りたたまれている右腕が見えた。

指先は自分の胸にあてている。

ぐるぐる回り、何度も眺め、満足。

 

オーギュスト・ロダン《瞑想1900以後(原型)、1922(鋳造)ブロンズ 国立西洋美術館

頭も体もよじっている。

瞑想というタイトルがあっているとは思えない。

「苦悩」あたりか。

 

ロダンの彫刻は手が大きく腕が太い。

顔よりも、腕の表情に重きを置いているのか。

 

 

ギュスターヴ・モロー《牢獄のサロメ》187376頃 国立西洋美術館

手にした花の色はピンクらしい。

パナソニックのモロー展では赤か白だった。

ギュスターヴ・モロー展 ―サロメと宿命の女たち―(パナソニック汐留美術館)の目撃談

このサロメの花が赤でも白でもなかったのは、ちょっと、おやっと思った。

 

フィンセント・ファン・ゴッホ《アルルの寝室》1889 オルセー美術館

やはり床板の木目。

3点ある《寝室》のうちの最後の作品だそう。

ゴーギャンとの破局後の製作だが、色使いは明るい。線も太い。

2脚の椅子。窓は片側が開いている。でも外は見えない。

 

 

モネは橋2点が良かった。

クロード・モネ《ウォータールー橋、ロンドン》1902 国立西洋美術館

クロード・モネ《チャーリング・クロス橋、ロンドン》1902頃 国立西洋美術館

 

他は、展示の位置と照明のためか、常設展示室で見たときほどよくなかった。粗く感じた。

 

 

ポール・シニャック《漁船》20世紀初頭 国立西洋美術館

水彩。カラフル。

船の輪郭が水面に揺れる。

 

ジャン=バティスト=カミーユ・コロー《罪を悔ゆる女(マグダレーナ)》株式会社三井住友銀行

遠く小さいマグダレーナの、赤い服。

 

アールト・ファン・デル・ネール《オランダの冬景色》165055頃 カルメン・ティッセン=ボルネミッサ・コレクション(ティッセン=ボルネミッサ美術館、マドリードへ貸与)

風が盛り上げた雲に、太陽がスプレーをかけた。

手前の大きな壺が気になる。釜? 何かあったかい物を作っているのか。

 

アンリ・マティス《長椅子に座る女》192021 バーゼル美術館

赤と緑。

窓。風。光。

女の足もと左右に靴。

くつろぎ。

 

ハイム・スーティン《ページ・ボーイ》1925 パリ国立近代美術館・ポンピドゥーセンター

強烈に赤い服。開いた脚。ふてぶてしい顔。

 

特別出品 エドゥアール・マネ《嵐の海》1873 ベルン美術館、コルネリウス・グルリット遺贈

海も船も、黒のヴァリエーション。

マネはかっこいい。

 

 

 

出品目録

 

手放した作品も借りてきて展示されていた。

松方組の同窓会。

 

しかし、モネの《黄色いアイリス》がなかった!

残念。もっとも、多すぎてすべては無理と見た。

 

画材に鉛白を使った絵があった。少し青みがかっていた。

 

睡蓮に始まり睡蓮に終わる展示。

修復されたとはいえ《睡蓮、柳の反映》は痛々しい。

コレクションするなら、集めるだけでなく、守ることも義務か。

守ることができるなら、ひとりの人間よりも、作品の寿命のほうが長いはず。

 

 

  

 

混雑状況報告。

会期終了まであと10日の夜。

 

1630のチケット売り場はほぼ行列なし。

1730、およそ20人。

1830、およそ30人。

展示室入口には行列なし。

館内は混んでいる。身動きとれないほどではない。

ゆっくり一往復半。

 

最初の往路は、近づきにくい作品多数。

特に人だかりができていたのは、ゴッホとモロー。

モローは小さめの2点を上下に展示したせいもある。

待てば寄れる。これはと思ったものにのみ近づいた。

 

復路は解説を一部読みながら眺めた。

 

最後の往路、たぶん1930くらい。

作品リストを手にとり、メモしながら進む。

気になっていた作品にじゅうぶん近寄れた。

作品とタイミングによっては数十秒独占していた。

本展ではほかの展示にくらべ、作品と、そのタイトルのプレートとが離れているものが多かった。

そのため、タイトルを確認するため近づいて見くらべられたのはよかった。

 

2020のチケット売り場に駆け込む人がひとり。

 

 

 2019/9/13(金)訪問 

   

2020ごろ、屋外の看板はライトアップなし。

 

照らされていたのは地獄の門。

考え中。

 

 

◎国立西洋美術館開館60周年記念

松方コレクション展

於・国立西洋美術館

開催期間:2019611日(火)〜923日(月・祝)

 

    

  

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