開館記念展
見えてくる光景 コレクションの現在地
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目撃談 (2020の002)
本展の目当て。 アルベルト・ジャコメッティ《矢内原》1958年 ヤナイハラ!(ジャコメッティとともに) よく見ると、頭の周囲に絵の具の盛り上がり。 最初はもっと大きく描いていたのだろう。 そして何度も何度も描き直した。 今後もたびたび見たい作品。
藤島武二が結構多くて、うれしい。貴重な自画像もあった。
その中から まずはこれ 藤島武二《黒扇》1908–09年
2017年の藤島武二展もよかったけれど、これがないのがちょっと残念だった。
ようやく再会。 青の入り具合がすてき。
藤島武二《浪(大洗)》1931年 武二は風景画もよい。色が美しい。タッチのこなれ方も見事。 《屋島よりの遠望》も出ていた。
こんなのもあった。 藤島武二《縮図帖》制作年不詳 いろいろ持ってるなあ。さすが石橋財団。
武二だけじゃない、ほかにも、おっと思う作品多数。
本展でひかれた版画。
エミール=アントワーヌ・ブールデル《踊るイサドラ》制作年不詳 脚のからまり。腕の力。 ブールデルはブロンズの《ペネロープ》も出ていた。
ヘンリー・ムア《ストーンヘンジX:光の裂け目(『連作ストーンヘンジ』より)》1973年 迫力よ。裂け目に吸い込まれる。 そういえばイギリスの人だった。 ターナーもストーンヘンジを描いている。(ターナー 風景の詩(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)の目撃談) ストーンヘンジはイギリスの芸術家の一大テーマなのか。 歴史と芸術は連鎖する。
オディロン・ルドン《VI 日の光(リトグラフ集『夢想(わが友アルマン・クラヴォーの想い出に)』より)》1891年 静かに切ないが、何度見てもいいと思う。
本展でひかれた彫刻。
ウンベルト・ボッチョーニ《空間における連続性の唯一の形態》1913年(1972年鋳造) 火と風。とどまっていては存在できないもの。
アレクサンダー・アーキペンコ《ゴンドラの船頭》1914年 櫂の直線。裾のカーブ。
エジプト《ハヤブサ神像》プトレマイオス朝─ローマ属領時代初期 黒玄武岩 武二の言う「単純化」の具現だ。 そしてジャコメッティは言う「ドノ文明デモ昔ノモノホドヨイ,c'est curieux[これは不思議なことだ]」(完本ジャコメッティ手帖T & U)
アルベルト・ジャコメッティ《ディエゴの胸像》1954–55年 本展のわたくしベストショット。
コンスタンティン・ブランクーシ《ポガニー嬢II》1925年(2006年鋳造)もよかったけど、なにしろ「磨かれたブロンズ」でできているので、撮ろうとするといろいろ映り込んでしまう。
ほか、ヴラマンク、ブラック、ザオ・ウーキー、ポロック、モロー、マティス、ドニ、梅原龍三郎、青木繁、坂本繁二郎、小杉未醒、岸田劉生、スーティン、レンブラント、シャガール、デ・キリコ、ミロ、ブーダン、ルオー、ルソー… モネやピカソは言うに及ばず。そしてセザンヌ、ルノワール。まだまだ。 加えて いままで気づかなかったけど、今回おおっと思った作品あり。
田淵安一《孤独の山》1956年 お名前存じ上げなかったけど目を引かれた。
ほか、柄澤齊、ヴォルス。
おなかいっぱい。ぱんぱん。
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ブリヂストン美術館からのリニューアル後、初の訪問でした。 天井が高くなっていたのが一番の改良点と思う。 新しいからもちろん清潔。空調もよいのでしょう。 なにより、見たかった作品、好きな作品いっぱい。コレクションだけで、これだけのことができる。 それなのに、どうも居づらかった。 黒の持つ威圧感のせいか。上下移動の多さのせいか。動線がわかりにくかったせいか。 慣れないせいと思いたい。また来よう。
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混雑状況報告。 夜間延長日の夕方。 入館も展示室内も行列なし。 人口密度は低めも、からっぽの展示室はどこにもない。 撮影はじゅうぶんできる。ただし作品によっては隙をうかがう必要あり。 2周。戻る時にエスカレーターを探してうろうろ。
2020/2/21(金)16:30〜18:00訪問 |
◎開館記念展 見えてくる光景 コレクションの現在地 開催期間:2020年1月18日(土)〜3月31日(火)
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